■楕円面上の測地線(その3)
(その1)のシャール・ヤコビの定理の解釈に誤解があると拙いので,加筆してしておきたい.
[定理]楕円面上の測地線の接線は,楕円面と共焦点な別の2次曲面に接する(シャール・ヤコビの定理)
したがって,楕円面上の測地線は,たとえば,楕円面と双曲面の交線に接するが,この測地線は楕円面と楕円面との交線になっているのである.
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ところで,空間図形のいろいろな幾何学的性質に関するモデルの代表は球面・球体であるが,楕円面・楕円体だって意外に面白い性質をもっている.
たとえば,平面上の閉曲線Cと平行な直線族との交点によって定まる線分の中点の軌跡は直線(線分である)という幾何学的性質を考える.円がこの性質をもつことは明らかであるが,この性質をもつための必要十分条件は楕円であることである.
空間内のの閉曲面Cと平行な直線族との交点によって定まる線分の中点が同一平面上にあるという幾何学的性質を考える.球面がこの性質をもつことは明らかであるが,この性質をもつための必要十分条件は楕円面であることである.
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