■円の循環定理(その3)
[1]ポンスレーの定理
小円を大円の内部におく.大円上の点P0から小円へ接線を引き,大円と交わる点をP1とする.P1から再び小円へ接線を引き,大円と交わる点をP2とする.この2つの円の中間に次々に接する接線列を作る.たいていの場合,最後の交点は最初の点P0と重ならない.しかしときとして完全に重なる場合がある.このとき,最初の点P0をどこに選ぼうとも完全な多角形環をなす.
ポンスレーの定理は円を楕円(2次曲線)に変えても成り立つ.その結果,以下の「楕円ビリヤード定理」が成立する.
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【1】楕円ビリヤード定理
楕円内部のビリヤードの軌跡は,ある共焦点族に属する円錐曲線に接し続ける.
より精密にいうと,ビリヤードの軌跡が線分F1F2交わらなければ,F1,F2を焦点とするある楕円,線分F1F2交われば,F1,F2を焦点とするある双曲線に接することになる.
(±√(a^2−b^2),0)を焦点とする共焦点族の方程式は,λをパラメータとして,
x^2/(a^2+λ)+y^2/(b^2+λ)=1
で,楕円と双曲線を含む.
(0,±√(a^2+b^2))を焦点とする共焦点族の方程式は,λをパラメータとして,
x^2/(a^2+λ)−y^2/(λ−b^2)=1
で与えられる,楕円と双曲線を含む.
同時に表したければ
x^2/(a^2+λ)+y^2/(b^2±λ)=1
とし,複号は楕円では+,双曲線では−とする.楕円ではa^2+λ>0,b^2+λ>0,双曲線ではb^2−λ<0でなければならない.
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【2】シャールの定理
共焦点円錐曲線族を考える.点P(x,y)は直線F1F2上にないものとする.点Pを楕円と双曲線が通るとき,そのパラメータをλ1,λ2とするとき,
P(λ1,λ2)
を楕円座標と呼ぶ.このとき楕円と双曲線は互いに直交する.
デカルト座標は楕円座標を使って
x^2=−(a^2+λ1)(a^2+λ2)/(b^2−a^2),
y^2=−(b^2+λ1)(b^2+λ2)/(b^2−a^2)
と表される.
3次元においては,
x^2/(a^2+λ)+y^2/(b^2+λ)+z^2/(c^2+λ)=1
で,楕円面と一葉双曲線と二葉双曲面を含む.
−c^2<λ<−b^2のとき,二葉双曲面
−b^2<λ<−a^2のとき,一葉双曲面
−a^2<λのとき,楕円面
これら3つの共焦点2次曲面は互いに直交する.
3次元ビリヤードにおいても,楕円ビリヤード定理に相当する定理が成り立ち,ビリヤードの軌跡は2つの異なる2次曲面に接することになる.
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