■n次元の立方体と直角三角錐(その354)
n次元正正多胞体は,
n次元正単体((n+1)胞体)
n次元正軸体(2^n胞体)
n次元立方体(2n胞体)
に分類される.
n次元準正多胞体を細分類したい.正軸体系切頂型は2^n+2n胞体,正単体系切頂型は2(n+1)胞体となるもので,それ以外を切頂切稜型と呼ぶことにする.それらの製作法を考えると
正単体切頂型(2(n+1)胞体)
正軸体切頂型(2^n+2n胞体)
正単体切頂切稜型(2(2^n−1)胞体)
正軸体切頂切稜型(3^n−1胞体)
の4クラスの分類されるが,このうち,正単体切頂型はあまり重要な性質を持ち合わせおらず,残りの3つが重要となる.
3次元は
2^n+2n=2(2^n−1)
が成り立つ特殊な次元である.
異なる系統の準正胞体の重複の有無について調べているのであるが,
n+1,2^n,2n
2(n+1),2^n+2n,2(2^n−1),3^n−1
の関係をみればよい.
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正単体切頂型(2(n+1)胞体)が正軸体と重複するための必要条件は
2(n+1)=2^n
で,この場合も3次元は特殊な次元となっている.実際,3次元では正四面体の辺の中点を結ぶと正八面体ができる.
4次元では,正軸体切頂型(2^n+2n胞体)は正多胞体と重複する可能性がある.
2^n+2n=24,120,600
を調べると2^n+2n=24が必要条件を満たすが,実際,4次元では正16胞体の辺の中点を結ぶと正24胞体ができる,すなわち,正軸体の切頂で他の正多胞体ができる.
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もっと詳細に調べると
[1]正軸体系の最小ファセット数は2^n+2nである.
[2]正単体のファセット数はn+1である.
2^n+2n>n+1
より,正軸体を切頂しても正単体にはならない.
[3]切頂単体のファセット数は2(n+1)である.
2^n+2n>2(n+1)
より,正軸体を切頂しても切頂単体にはならない.
[4]正単体系の切頂・切稜体の最大ファセット数は2(2^n−1)である.
2^n+2n<2(2^n−1)
であるから,正軸体を切頂すると切頂切稜単体になる可能性がある.
5次元以上の空間では,正単体の切頂で正軸体・立方体はできないことは
2(n+1)=2^n
より主張できることになる.結局(その321)−(その329)の考察と同じことになった.
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