■書ききれなかった数の話(その43)
π^eは代数的数かどうかわかっていないが,e^πは超越数であることはわかっている.Mathematicaに代数的数かどうか,有理数かどうかを調べる機能があり,これを使ってみたところ,
[1]π→代数的数ではない
[2]e→代数的数ではない
[3]√2→代数的数
[4]√(2+√2)→代数的数
[5]√(2+√2)+π→代数的数
[6]e+π→代数的数かどうか判定できない
[7]eπ→代数的数かどうか判定できない
[8]−e+π→代数的数かどうか判定できない
[9]e/π→代数的数かどうか判定できない
[10]π/e→代数的数かどうか判定できない
[11]π^e→代数的数かどうか判定できない
[12]e^π→代数的数ではない
[13]e+πまたはeπ→代数的数かどうか判定できない
この判定を数式処理システムが自動証明できるとは思えない.これは自動証明ではなく,プログラム組み込みで判定しているのであろう.
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[14]e+π→有理数かどうか判定できない
[15]eπ→有理数かどうか判定できない
[16]e+πまたはeπ→有理数かどうか判定できない
πとeは最も有名な超越数ですが,π+e,πeのうち,少なくとも一方は無理数であることはわかっています.背理法を使って証明してみましょう.
[Q]π+e,πeのうち,少なくとも一方は無理数であることを示せ.
[A]どちらも有理数であるならば,
x^2−(π+e)x+πe=0
は有理数の係数をもつ方程式で,その根はπとeであるが,それはπとeは超越数であるという事実に反する.(誰もがそう信じているが)どちらも無理数であることが証明できれば素晴らしいのであるが,その証明はいまだ存在しない.
といった気の利いた証明をMathematicaはしてくれない.人間とプログラムとどちらか賢いかを試したり,プログラムがどのような動きをするのか推定するのも一興かもしれない. (阪本ひろむ)
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