■n次元の立方体と直角三角錐(その341)
3次元と4次元で重複が存在する理由は,正四面体(正16胞体)の辺の中点を結ぶと正八面体(正24胞体)ができる.そのため,3次元の正四面体系と正八面体系,4次元の正16胞体系と正24胞体系の準正多胞体に重複が存在するが,n(≧5)次元の正単体系と正軸体系の準正多胞体に重複はないと思われる.
しかし,正単体の頂点数n+1とファセット数n+1の合計2(n+1)が正軸体の頂点数2nやファセット数2^nと一致しないからという理由では納得できない.これは切頂単体が,正軸体・立方体にならないということを主張しているのであって,準正多胞体まで含めると,正単体系の最大ファセット数は2(2^n−1)あり,一方,正軸体系の最小ファセット数は2^n+2nあるから,オーバーラップしてしまうからである.
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5次元以上の空間では重複例は知られていない.この性質が証明されているのがどうかは知らない.幾分経験則的であるかもしれないが,願望を込めてしっかり確立されたものとみなすことにしたいのであるが,証明は必要であろう.
n次元正軸体:go=(n,o+1)2^(o+1)
n次元正単体:gs=(n+1,s+1)
として,2系統の準正胞体の重複の有無について調べてみたい.
[1]頂点数が一致するとき,
f0=Gsgs=Gogo
であるから,
Gs(n+1,s+1)=Go(n,o+1)2^(o+1)
ただし,s=[0,n−1],o=[0,n−1]
[2]頂点数が一致するとき,辺数,したがって,次数mが等しくなること
ms/2・Gs(n+1,s+1)=mo/2・Go(n,o+1)2^(o+1)
はあるだろうか?・・・という問題に帰着される.
たとえば,n≧4,o≦s−2のとき,矛盾を生ずるといった背理法になると思われる.
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o=s−2のとき,
Gs(n+1,s+1)=Go(n,s−1)2^(s-1)
Gs=(s+1,i+1)(i+1,j+1)
Go=(o+1,i’+1)(i’+1,j’+1)
=(s−1,i’+1)(i’+1,j’+1)
とすると
Gs(n+1,s+1)=(n+1)!/(n−s)!(s−i)!(i−j)!
Go(n,s−1)2^(s-1)=n!2^(s-1)/(n−s+1)!(s−i’−2)!(i’−j’)!
となって面倒である.
そこで,Gkの最大値は(k+1)!,最小値はk+1であるから,
0≦s+1≦Gs≦(s+1)!
0≦s−1≦Go≦(s−1)!
(s+1)/(s−1)!≦Gs/Go≦(s+1)!/(s−1)
Gs/Go=(n,s−1)2^(s-1)/(n+1,s+1)
=s(s+1)2^(s-1)/(n+1)(n+1−s)
[1]s(s+1)2^(s-1)/(n+1)(n+1−s)≧(s+1)/(s−1)!
s!2^(s-1)≧(n+1)(n+1−s)
[2]s(s+1)2^(s-1)/(n+1)(n+1−s)≦(s+1)!/(s−1)
2^(s-1)/(s−2)!≦(n+1)(n+1−s)
[3]0≦s≦n−1
[1]をn+1に関する2次式とみると
x=(s±(s^2+4s!2^(s-1))^1/2)/2
n+1≦(s+(s^2+s!2^(s+1))^1/2)/2
[2]をn+1に関する2次式とみると
x=(s±(s^2+2^(s+1)/(s−2)!)^1/2)/2
n+1≧(s+(s^2+2^(s+1)/(s−2)!)^1/2)/2
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