■書ききれなかった数の話(その31)

  θ(t)=Σexp(−πm^2t)

とおくと,テータ関数に関するヤコビの恒等式(1829年)

  θ(1/t)=√tθ(t)

が成り立ちます.初項1も含めると

  θ(t)−1/√t・θ(1/t)=1/2(1/√t−1)

となります.

 この等式はポアソンの和公式とも呼ばれる有名な等式です.今回のコラムではこれを利用して

  Σ(15n^2−30πn^4+8π^2n^6)exp(−πn^2)=0

を証明してみます.

  [参]佐久間一浩「高校数学と大学数学の接点」日本評論社

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  θ(t)=Σexp(−πn^2t)

  θ’(t)=−πΣn^2exp(−πn^2t)

  θ”(t)=π^2Σn^4exp(−πn^2t)

  θ”’(t)=−π^3Σn^6exp(−πn^2t)

  F(t)=θ(t)−1/√t・θ(1/t)=1/2(1/√t−1)

  F’(t)=−1/4・t^-3/2

  F”(t)=3/8・t^-5/2

  F”’(t)=−15/16・t^-7/2

 これより

  15θ’(1)+30θ”(1)+8θ”’(1)=0

が得られる.

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