■書ききれなかった数の話(その18)
【1】ルジャンドルの3平方和定理
「正整数nが3つの平方数の和として表せる←→4^m(8k+7)の形をした数ではない.」
n≠4^m(8k+7)はnが高々3個の平方数で表されるための必要十分条件です.ガウスの定理ともルジャンドルの定理とも呼ばれますが,ルジャンドルは2次形式ax^2+by^2+cz^2の研究を通して,より一般的な3元2次形式論としてこの結果を得ています.
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【2】ルジャンドルの4平方和定理
ラグランジュの4平方和定理では0も含めて考えていますが,「正」という条件を付けてみることにすると,
「4つの正の平方数の和として表されない正の整数をすべてあげると
1,3,5,9,11,17,29,41,2×4^m,6×4^m,14×4^m」
が得られます(ルジャンドルの4平方和定理).
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【3】4平方和定理の拡張
何種類かの4変数2次形式,たとえば,
x^2+y^2+z^2+mw^2 (m=1,2,3,4,5,6,7)
はすべての正の整数を表現することができます.
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【4】2元2次形式による整数の表現と15の定理
1996年,コンウェイとシュニーバーガーは正定値2元2次形式
f(x,y)=ax^2+bxy+cy^2=n
が1から15までのすべての整数を表せば,それがすべての正の整数を表すことを示した(15の定理).
もっと限定していえば
1,2,3,5,6,7,10,14,15
の9つの数を表現するならば,すべての正の整数を表現するという定理である.
この定理はルジャンドルの4平方和定理「何種類かの4変数2次形式,たとえば,
x^2+y^2+z^2+mw^2 (m=1,2,3,4,5,6,7)
はすべての正の整数を表現することができる」も内包していて,
1=1^2,2=1^2+1^2,3=1^2+1^2+1^2,5=2^2+1^2
6=2^2+1^2+1^2,7=2^2+1^2+1^2+1^2,10=3^2+1^2
14=3^2+2^2+1^2,15=3^2+2^2+1^2+1^2
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