■書ききれなかった数の話(その13)
2元2次形式,f(x,y)=3x^2+6xy−5y^2において,
f(x,y)=3x^2+6xy−5y^2=3(x+y)^2−8y^2
であるから,正の値と負の値の両方を取り得る.
f(1,1)=4であるから,f(x,y)は4を表現することはわかるが,逆問題,たとえば,f(x,y)=7となる(x,y)を見つけることはできるだろうか?
(その11)(その12)ではトポグラフの描き方を説明していなかったが,
f(x,y)=3x^2+6xy−5y^2=3(x+y)^2−8y^2
のトポグラフは正の値をとる領域と負の値をとる領域の分ける周期的な川になる.
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【1】トポグラフの描き方
トポグラフは,等差数列の規則に従って簡単に描くことができる.トポグラフのあるひとつの辺を取り囲む4つの面を考える.辺の左岸をa,右岸をbとすると前岸にはa+b+h,後岸にはa+b−hを記入する.ここで,
a+b−h,a+b,a+b+h
は等差数列をなすことになる(公差h).xyの係数が等差数列の規則に現れる公差hになる.
前岸と後岸の和=(左岸と右岸の和)×2となるが,この手順を繰り返すと樹木のような閉路のない連結グラフができる.それがトポグラフである.
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【2】3x^2+6xy−5y^2のトポグラフ
f(1,0)=3
f(0,1)=−5
f(1,1)=4
数値(3,−5,4)に囲まれた点からスタートする.左岸に−5,後岸に3,右岸4とすると,
x+3=(−5+4)×2
より,前岸は−5となる.次に,左岸に−5,後岸に−5,右岸4とすると,
x−5=(−5+4)×2
より,前岸は3となる.ここで,再び数値(3,−5,4)に囲まれた点が表れ,周期的となることがわかる.
さらに繰り返すと,トポグラフの左岸には
−5,−8,−24,−29,−53,−60,−69,−92,−101,・・・
右岸には
3,4,19,40,43,67,75,110,115,120,・・・
が並び,トポグラフは正の値をとる領域と負の値をとる領域の分けることも理解される.
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【3】2y^2+yz+4z^2のトポグラフ
f(y,z)=2y^2+yz+4z^2=2(y+z/4)^2+31z^2/8は正定値2次形式となることがわかる.
f(1,0)=2
f(0,1)=4
f(1,1)=7
数値(2,4,7)に囲まれた点からスタートする.左岸に2,後岸に7,右岸4とすると,
x+7=(2+4)×2
より,前岸は5となる.次に,左岸に5,後岸に2,右岸4とすると,
x+2=(5+4)×2
より,前岸は16となる.
3岸の構成を変えることによって,トポグラフには
2,4,5,7,10,14,16,19,20,25,28,32,・・・
が並ぶことになるのである.
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