■ワイソフ計量空間(その15)
3次元と4次元は重複が存在する特殊な次元である.3次元と4次元で重複が存在する理由は,正四面体(正16胞体)の辺の中点を結ぶと正八面体(正24胞体)ができるからである.しかし,5次元以上の空間ではそのような例は知られていない.
この性質が証明されているのがどうかは知らない.
[1]正軸体系の最小ファセット数は2^n+2nである.
[2]正単体のファセット数はn+1である.
2^n+2n>n+1
より,正軸体を切頂しても正単体にはならない.
[3]切頂単体のファセット数は2(n+1)である.
2^n+2n>2(n+1)
より,正軸体を切頂しても切頂単体にはならない.
[4]正単体系の切頂・切稜体の最大ファセット数は2(2^n−1)である.
2^n+2n<2(2^n−1)
であるから,正軸体を切頂すると切頂切稜単体になる可能性がある.
3次元と4次元では,正四面体(正16胞体)の辺の中点を結ぶと正八面体(正24胞体)ができる,すなわち,正単体(正軸体)の切頂で他の正多胞体はできる.しかし,5次元以上の空間では,正単体の切頂で正軸体・立方体はできないことは[1]より主張できることになる.
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幾分経験則的であるかもしれないが,しっかり確立されたものとみなすことにすると,以下の定理が成り立つ.
ワイソフベクトルはn次元ベクトル
m=(m0,m1,・・・,mn-1)
miは0または1で,同時に0であってはならない
として表記することができる.
したがって,その種類は2^n−1あり,ワイソフベクトルを決めると,n次元準正多胞体がひとつ定まる.
【定理1】ひとつのn次元原正多胞体から構成されるについて,n次元準正多胞体の種類は(原正多胞体も含め),2^n−1種類ある.ただし,原正多胞体が自己双対の場合は,2^(n-1)+2^[(n-1)/2]−1種類となる.
3次元・4次元では,正単体から構成されるn次元準正多胞体と正軸体から構成されるn次元準正多胞体などの間には重複するものがあるが,5次元以上では重複するものは知られてない.
【系1】n(≧5)次元準正多胞体の種類は(原正多胞体も含め),2^n+2^(n-1)+2^[(n-1)/2]−2種類となる.
3次元では2(2^n−1)+2^(n-1)+2^[(n-1)/2]−1種類となる.
4次元では2(2^n−1)+2(2^(n-1)+2^[(n-1)/2]−1)種類となる.
n次元準正多胞体を細分類したい.正軸体系切頂型は2^n+2n胞体,正単体系切頂型は2(n+1)胞体となるもので,それ以外を切頂切稜型と呼ぶことにする.
【系2】準正多胞体を切頂型と切頂切稜型に分類すると,切頂型の種類は(原正多胞体も含め),2n−1種類ある.原正多胞体が自己双対の場合はn種類となる.
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