■n次元の立方体と直角三角錐(その330)

 石井源久先生の学位論文

  「多次元半正多胞体のソリッドモデリングに関する研究」

では,形状ベクトルv(ワイソフ構成と同じ0−1ベクトル)と変換行列Tを掛け合わせて,すべての頂点の座標を計算している.

 したがって,変換行列Tは正軸体系では2^n・n!種類,正単体系では(n+1)!種類あるはずである.しかし,当該論文には変換行列Tについての説明が書かれていない.(その313)ではよく理解できながったが,やっと具体的な形がわかった.

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 変換行列の第n列に頂点の座標,第n−1列に辺の中点座標,・・・,第1列にファセットの中心座標がくる.

 立方体,3×3行列の場合,第3列に(±1,±1,±1)の8通りのうち1つ,第2列に辺の中点座標であるから,どれか1つを0として残りはそのまま書き移すから3通り,第1列に面の中心座標であるから,どれか1つを0として残りはそのまま書き移すから2通り,計8×3×2=48通りある.一般には2^nn!通りあることになる.

    [1,1,1]

  T=[0,1,1]

    [0,0,1]

 また,n次元正軸体の各頂点の座標は

  (±1,0,・・・,0)

  (0,±1,・・・,0)

  ・・・・・・・・・・・・

  (0,0,・・・,±1)

で表される.

    [1/3,1/2,1]

  T=[1/3,1/2,0]

    [1/3,  0,0]

変換先は立方体の場合と同じになる.

 正単体,3×3行列の場合,第3列に4通り,第2列に辺の中点座標であるから3通り,第1列に面の中心座標であるから2通り,計4×3×2=24通りある.一般には(n+1)!通りあることになる.

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