■n次元の立方体と直角三角錐(その315)

【1】Cn型ルート格子?

  |C2 |=|1 1|=1

       |0 1|

       |1 1 1|

  |C3 |=|0 1 1|=1

       |0 0 1|

は容易に計算できる.一般に,三角行列の行列式の値は対角要素の積になるから,

  |Cn |=1

が得られる.

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 次に,

  |1 1 ・・ 1| |1 −1 ・・・ 0|

  |0 1 ・・ 1| |0 1 −1・・ 0|

  |0 0 ・・・1|=|0 0 1・・・ 0|=1

  |0 0 ・・ 1| |0 0 ・・1 −1|

  |0 0 ・・ 1| |0 0 ・・0  1|

を示してみよう.

 3次の行列式であれば,行列式を展開して

  |1 1 1|   |1 −1  0|

  |0 1 1|=1,|0  1 −1|=1

  |0 0 1|   |0  0  1|

であることを確認することができる.しかし,直接

  |1 1 1|

  |0 1 1|

  |0 0 1|

  |1 −1  0|

  |0  1 −1|

  |0  0  1|

に変形することは難しいだろう.

  |1 1 ・・ 1| |1 0 ・・ 0|

  |0 1 ・・ 1| |0 1 ・・ 0|

  |0 0 ・・・1|=|0 0 ・・・0|=1

  |0 0 ・・ 1| |0 0 ・・ 0|

  |0 0 ・・ 1| |0 0 ・・ 1|

は証明できるし,

  |1 −1 ・・・ 0| |1 0 ・・ 0|

  |0 1 −1・・ 0| |0 1 ・・ 0|

  |0 0 1・・・ 0|=|0 0 ・・・0|=1

  |0 0 ・・1 −1| |0 0 ・・ 0|

  |0 0 ・・0  1| |0 0 ・・ 1|

を示すことによって,両辺が一致することを確認してみよう.それでも立派な証明だろう.

 たとえば,

  |1 −1  0  0| |1 0 0 0|

  |0  1 −1  0|=|0 1 0 0|=1≠0

  |0  0  1 −1| |0 0 1 0|

  |0  0  0  1| |0 0 0 1|

まず,第4行を第3行に加えて,さらに第3行を第2行に,第2行を第1行に加えれば,対角行列式となる.対角行列の行列式の値は対角要素の積になるから,非特異となることが証明されたことになる.

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【2】まとめ

 「ワイソフ構成を決めると,n次元準正多胞体がひとつ定まる.したがって,ワイソフ構成を決めることは,n次元準正多胞体を定めることと等価である.」

 このことは,幾何学的に説明すると,単体の各面は共面(平行)にならないことと同様である.自明といってもよい.各面は必ず交差するからである.

 正確に表現すると,点Qの座標を求めるにはn元1次方程式を解くことになるのだが,これが非特異であることが示せればよい.

 たとえば,4次元正軸体系では

  |1 −1  0  0| |1 0 0 0|

  |0  1 −1  0|=|0 1 0 0|=1≠0

  |0  0  1 −1| |0 0 1 0|

  |0  0  0  1| |0 0 0 1|

まず,第4行を第3行に加えて,さらに第3行を第2行に,第2行を第1行に加えれば,対角行列式となる.対角行列の行列式の値は対角要素の積になるから,非特異となることが証明されたことになる.

 4次元正単体系では,直交座標を斜交座標化することによって,

  |a1 −a2  0   0| |a1 0 0  0|

  |0  a2 −a3  0|=|0 a2 0  0|=a1a2a3a4≠0

  |0  0  a3 −a4| |0 0 a3 0|

  |0  0  0  a4| |0 0 0 a4|

 すなわち,人間の年齢なら負の値はとらないとか(一般常識),水の温度は0℃以上100℃以下とか(物理学的性質)と同様の常識で説明できる.

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