■n次元の立方体と直角三角錐(その313)
石井源久先生の学位論文
「多次元半正多胞体のソリッドモデリングに関する研究」
では,形状ベクトルv(ワイソフ構成と同じ0−1ベクトル)と変換行列Tを掛け合わせて,すべての頂点の座標を計算している.
したがって,変換行列Tは正軸体系では2^n・n!種類,正単体系では(n+1)!種類あるはずである.しかし,当該論文には変換行列Tについての説明が書かれていない.具体的にはどういうものであろうか?
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【1】3次元正軸体系の場合
v=(1,1,0),変換行列Tとして上三角行列を用いるが,例として,
[1,1,1]
T=[0,1,1]
[0,0,1]
を用いた場合,
Tv=[2,1,0]
が得られる.
[4]形状ベクトル[1,1,0]の場合
(x−y)/√2=(y−z)/√2,z=0
→(±x,±y,0)の置換であるから24通り
→x=2/3,y=1/3,z=0
となって,
[2/3,1/3,0]
と(スケールを除いて)一致する.
もし,対角行列T’として,
[√2,0,0]
T’=[0,√2,0]
[0, 0,1]
を用いると,TT’vを計算すると
TT’v=[2√2,√2,0]
となる.2次元でならばT’はスケーリングのための行列であるが,3次元ではどんな役目をする行列なのだろうか?
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切頂八面体の場合はよかったが,他のケースも調べてみよう.
[1]形状ベクトル[1,0,0]の場合
(y−z)/√2=z=0,y=z=0
→(±x,0,0)の置換であるから6通り
→x=1,y=z=0
Tv=[1,0,0]
T’v=[√2,0,0]
TT’v=[√2,0,0]
[2]形状ベクトル[0,1,0]の場合→切頂のみ
(x−y)/√2=0,z=0,x=y
→(±x,±x,0)の置換であるから12通り
→x=y=1/2,z=0
Tv=[1,1,0]
T’v=[√2,√2,0]
TT’v=[2√2,√2,0]
[3]形状ベクトル[0,0,1]の場合→切頂のみ
(x−y)/√2=(y−z)/√2=0
→ x=y=z →(±x,±x,±x)の置換であるから8通り
→x=y=z=1/3
Tv=[1,1,1]
T’v=[√2,√2,1]
TT’v=[1+2√2,1+√2,1]
[5]形状ベクトル[1,0,1]の場合
(y−z)/√2=0,y=z
(x−y)/√2=z
→(±x,±y,±y)の置換であるから24通り
→y=z=1/(3+√2),x=(1+√2)/(3+√2)
Tv=[2,1,1]
T’v=[2√2,√2,1]
TT’v=[1+3√2,1+√2,1]
[6]形状ベクトル[0,1,1]の場合→切頂のみ
(x−y)/√2=0,(y−z)/√2=z
→(±x,±x,±z)の置換であるから24通り
→z=1/(3+2√2),x=y=(1+√2)/(3+2√2)
Tv=[2,2,1]
T’v=[2√2,2√2,1]
TT’v=[1+4√2,1+2√2,1]
[7]形状ベクトル[1,1,1]の場合→切頂・切稜
(x−y)/√2=(y−z)/√2=z
→(±x,±y,±z)の置換であるから48通り
→z=1/(1+3√2),y=(1+√2)/(1+3√2),x=(1+2√2)/(1+3√2)
Tv=[3,2,1]
T’v=[3√2,2√2,1]
TT’v=[1+5√2,1+2√2,1]
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【2】まとめ
2次元でならばT’はスケーリングのための行列であるが,3次元ではvの末尾が0のとき,すなわち,
v=(*,・・・,*,0)
では単純な伸縮になっていない.どんな役目をする行列なのだろうか?
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