■ワイソフ計量空間(その10)
f0公式とf1公式は,n次元の正軸体も正単体もファセットは等しく,(n−1)次元正単体であることの別表現になっていた.
Pk(k=n−2,n−1,・・・)の回りに会合する基本単体数は,正軸体も正単体も同数である.両者が異なるのは,基本ベクトルの下2桁が(*,・・・,*,0,0)の場合だけということになるが,これはn次元の正軸体も正単体もファセットは等しく,(n−1)次元正単体であることの別表現になっているのである.
fn-1公式ではどうだろうか?
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【1】fn-1公式
石井源久先生の示したfn-1公式(ファセット数公式)は,原正多面体の面数公式を
正単体の面数公式: gk^(n)=n+1Ck+1
正軸体の面数公式: gk^(n)=2^(k+1)nCk+1
縮退情報 : B=(b0,・・・,bn-1)
とすると,
fn-1^(n)=Σ(j=0~n-1)gj^(n)bj
というものである.ここで,各bjは0か1の値をとるから,ゼータ関数ににおける「指標」のようなものと考えることができる.
f=Σχg
とした方がその雰囲気が味わえるかもしれない.
ファセットが縮退しているか否かどうかを表す「指標」は,形状ベクトルから求めることができる.
[1][1,0,・・・,0]→[0,0,・・・,1]
[0,0,・・・,1]→[1,0,・・・,0]
[2a]形状ベクトルの最も左にある1と最も右にある1の間の成分をすべて1にする.
[2b]隣の成分が0である1を0に変更する.
[2c]両端の成分を1にする.
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【2】fn-1公式と準正多面体の作製法
準正多面体の作製法を考えてみると,ワイソフ構成[0,1,2,・・・,n−1]の最も左端の1から切頂を始めて,停止則は残りが[0,0,・・・,0]または[1,0,・・・,0]になったときに設定される.
停止則が満足されるまで最も右端の1の直前までj次元面を切断していくのである.
しかし,切頂から始めて→切稜→切面→・・・と順に進んでいくわけではない.たとえば,切稜→切面→・・・の縮退が生ずるのは
[1]1が1個の場合
[2]1が2個連続する場合
[3][0,1]のあとに1がある場合
[4][0,0,1]のあとに1がある場合
[5][0,0,0,1]のあとに1がある場合,・・・
である.最終的にはn−1次元面が切断されずに残る.
それをアルゴリズム化すると下記のようになる.
[2a]形状ベクトルの最も左にある1と最も右にある1の間の成分をすべて1にする.
[2b]隣の成分が0である1を0に変更する.
[2c]両端の成分を1にする.
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