■多角形の等周問題(その2)
どのような多角形でも辺の長さを変えずに,内角を変えて円に内接させることができます.また,どのような多角形でも辺の長さを変えずに,内角を変えて囲む面積を最大にすることができます.
n≧4のとき,各辺の長さが指定されたn角形の中で,面積が最大のものは円に内接します.さらに周の長さが指定されたn角形の中で,面積が最大のものは正n角形です(円を球帽に変えれば球面n角形に対しても成り立つ).
単位円に内接する凸n角形の周長Lは
L=2(sinα1+・・・+sinαn)
これより,
L≦2nsin(π/n)
また,外接する場合,
L=2(tanα1+・・・+tanαn)
L≧2ntan(π/n)
一般に,凸n角形の面積S,周長L,内接円の半径r,外接円の半径Rの間には,次の不等式が成り立ちます.
2nrtan(π/n)≦L≦2nRsin(π/n)
nr^2tan(π/n)≦S≦1/2nR^2sin(2π/n)
等号は正n角形の場合にのみ成り立ちますから,定円に外接するn角形の中で,正n角形は周長・面積が最小であり,内接するn角形の中で,正n角形は周長・面積が最大となります.このことは直観的にも理解されるでしょう.
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[参]大野泰生・松井優「白熱!無差別級数学バトル」日本評論社
に掲載されている問題です.
[Q]5辺の長さがAB=3,BC=3,CD=2,DE=2,EA=2である五角形の面積の最大値を求めよ.
[A]AC=x,CE=y,∠ABC=γ,∠CDE=δとおく.余弦定理より
AC^2=AB^2+BC^2−2AB・BCcosγ
AC^2=CE^2+EA^2−2CE・EAcos(π−γ)=CE^2+EA^2+2CE・EAcosγ
→x^2=18(1−cosγ),x^2=y^2+4+4ycosγ
同様に,
→y^2=8(1−cosδ),y^2=c^2+4+4xcosδ
→cosγ=(14−y^2)/2(2y+9),cosδ=(2−x)/4
→y=7/2,x=33/8
あとは,ヘロンの公式S=(s(s−a)(s−b)(s−c))^1/2,,ブラーマグプタの公式S=((s−a)(s−b)(s−c)(s−d))^1/2 (d=0のときヘロンの公式になる)を利用すると,
S=5/2・√15
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