■ワイソフ計量空間(その8)
「ワイソフ構成を決めると,n次元準正多胞体がひとつ定まる.したがって,ワイソフ構成を決めることは,n次元準正多胞体を定めることと等価である.」を補足しておきたい.
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このことは,幾何学的に説明すると,単体の各面は共面(平行)にならないことと同様である.自明といってもよい.各面は必ず交差するからである.
正確に表現すると,点Qの座標を求めるにはn元1次方程式を解くことになるのだが,これが非特異であることが示せればよい.
たとえば,4次元正軸体系では
|1 −1 0 0| |1 0 0 0|
|0 1 −1 0|=|0 1 0 0|=1≠0
|0 0 1 −1| |0 0 1 0|
|0 0 0 1| |0 0 0 1|
まず,第4行を第3行に加えて,さらに第3行を第2行に,第2行を第1行に加えれば,対角行列式となる.対角行列の行列式の値は対角要素の積になるから,非特異となることが証明されたことになる.
4次元正単体系では,直交座標を斜交座標化することによって,
|a1 −a2 0 0| |a1 0 0 0|
|0 a2 −a3 0|=|0 a2 0 0|=a1a2a3a4≠0
|0 0 a3 −a4| |0 0 a3 0|
|0 0 0 a4| |0 0 0 a4|
すなわち,人間の年齢なら負の値はとらないとか(一般常識),水の温度は0℃以上100℃以下とか(物理学的性質)と同様の常識で説明できる.
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