■n次元の立方体と直角三角錐(その292)
結果だけからすると正解から遠ざかっているように見えるかもしれないが,準正多面体の構造の理解という点からすると,かなり近づいてきた感じがする.今回のコラムでは4次元の切頂切稜型について取り上げるが,縮退情報を加味して計算するのである.
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【1】4次元正単体系(g0,g1)=(5,10)
[1]切頂切稜型
[1,0,1,0](30,90)では,頂点の位置に正単体系[0,1,0](6,12)が入り,辺の位置に正単体系[1,0](3,3)柱が入ると考える.
12×5+3×10=90
→[1,0,1,0](30,90)では,ファセットの位置に正単体系[1,0,1](12,24)が入り,面の位置に正単体系[1,0](3,3)柱が入ると考えると
24×5+3×10=150 (NG)
しかし,面の位置に正単体系[1,0](3,3)柱は入らない.
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[1,0,0,1](20,60)では,頂点の位置に正単体系[0,0,1](4,6)が入り,辺の位置に正単体系[0,1](3,3)柱が入ると考える.
6×5+3×10=60
→[1,0,0,1](30,90)では,ファセットの位置に正単体系[1,0,0](4,6)が入り,面の位置に正単体系[1,0](3,3)柱が入ると考えると
6×5+3×10=60
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[1,1,1,0](60,120)では,頂点の位置に正単体系[1,1,0](12,18)が入り,辺の位置に正単体系[1,0](3,3)柱が入ると考える.
18×5+3×10=120
→[1,1,1,0](60,120)では,ファセットの位置に正単体系[1,1,1](24,36)が入り,面の位置に正単体系[1,1](6,6)柱が入ると考える.
36×5+6×10=240 (NG)
しかし,面の位置に正単体系[1,1](6,6)柱は入らない.
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[1,1,0,1](60,150)では,頂点の位置に正単体系[1,0,1](12,24)が入り,辺の位置に正単体系[0,1](3,3)柱が入ると考える.
24×5+3×10=150
→[1,1,0,1](60,150)では,ファセットの位置に正単体系[1,1,0](12,18)が入り,面の位置に正単体系[1,1](6,6)柱が入ると考える.
18×5+6×10=150
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[1,1,1,1](120,240)では,頂点の位置に正単体系[1,1,1](24,36)が入り,辺の位置に正単体系[1,1](6,6)柱が入ると考える.
36×5+6×10=240
→[1,1,1,1](120,240)では,ファセットの位置に正単体系[1,1,1](24,36)が入り,面の位置に正単体系[1,1](6,6)柱が入ると考える.
36×5+6×10=240
→[X,1]あるいは[1,X]から始めなければならない.
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【2】4次元正軸系(g0,g1)=(8,24)
[1]切頂切稜型
[1,0,1,0](96,288)では,頂点の位置に正軸体系[0,1,0](12,24)が入り,辺の位置に正軸体系[1,0](4,4)柱が入ると考える.
24×8+4×24=288
→[1,0,1,0](96,288)では,ファセットの位置に正単体系[1,0,1](12,24)が入り,面の位置に正単体系[1,0](3,3)柱が入ると考える.
24×16+3×32=480 (NG)
しかし,面の位置に正単体系[1,0](3,3)柱は入らない.
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[1,0,0,1](64,192)では,頂点の位置に正軸体系[0,0,1](8,12)が入り,辺の位置に正軸体系[0,1](4,4)柱が入ると考える.
12×8+4×24=192
→[1,0,0,1](64,192)では,ファセットの位置に正単体系[1,0,0](4,6)が入り,面の位置に正単体系[1,0](3,3)柱が入ると考える.
6×16+3×32=192
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[0,1,0,1](96,288)では,頂点の位置に正軸体系[1,0,1](24,48)が入り,辺の位置に正軸体系[0,1](4,4)柱が入ると考える.
24×8+4×24=288
しかし,辺の位置に正軸体系[0,1](4,4)柱は入らない.
→[0,1,0,1](96,288)では,ファセットの位置に正単体系[0,1,0](6,12)が入り,面の位置に正単体系[0,1](3,3)柱が入ると考える.
12×16+3×32=288
の方が正しい.
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[1,1,1,0](192,384)では,頂点の位置に正軸体系[1,1,0](24,36)が入り,辺の位置に正軸体系[1,0](4,4)柱が入ると考える.
36×8+4×24=384
→[1,1,1,0](192,384)では,ファセットの位置に正単体系[1,1,1](24,36)が入り,面の位置に正単体系[1,1](6,6)柱が入ると考える.
36×16+6×32=768 (NG)
しかし,面の位置に正単体系[1,1](6,6)柱は入らない.
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[1,1,0,1](192,480)では,頂点の位置に正軸体系[1,0,1](24,48)が入り,辺の位置に正軸体系[0,1](4,4)柱が入ると考える.
48×8+4×24=480
→[1,1,0,1](192,480)では,ファセットの位置に正単体系[1,1,0](12,18)が入り,面の位置に正単体系[1,1](6,6)柱が入ると考える.
18×16+6×32=480
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[1,0,1,1](192,480)では,頂点の位置に正軸体系[0,1,1](24,36)が入り,辺の位置に正軸体系[1,1](8,8)柱が入ると考える.
36×8+8×24=480
→[1,0,1,1](192,480)では,ファセットの位置に正単体系[1,0,1](12,24)が入り,面の位置に正単体系[1,0](3,3)柱が入ると考える.
24×16+3×32=480
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[0,1,1,1](192,384)では,頂点の位置に正軸体系[1,1,1](48,72)が入り,辺の位置に正軸体系[1,1](8,8)柱が入ると考える.
72×8+8×24=768 (NG)
しかし,辺の位置に正軸体系[1,1](8,8)柱は入らない.
→[0,1,1,1](192,384)では,ファセットの位置に正単体系[0,1,1](12,18)が入り,面の位置に正単体系[0,1](3,3)柱が入ると考える.
18×16+3×32=384
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[1,1,1,1](384,768)では,頂点の位置に正軸体系[1,1,1](48,72)が入り,辺の位置に正軸体系[1,1](8,8)柱が入ると考える.
72×8+8×24=768
→[1,1,1,1](384,768)では,ファセットの位置に正単体系[1,1,1](24,36)が入り,面の位置に正単体系[1,1](6,6)柱が入ると考える.
36×16+6×32=768
[0,1,1,1](192,384)も,OK.
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【3】まとめ
4次元正軸体系切頂切稜型[A,X,B]では,頂点の位置に正軸体系[X,B]が入り,ファセットの位置に正単体系[A,X]が入る.そして,縮退情報を考慮しながら辺あるいは面の位置にはいるアルキメデス柱を計算するとよい.
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