■ワイソフ計量空間(その4)
準正多胞体の面数fkと原正多胞体の面数gjとの間に,整数係数による線形関係
fk=lg0+mg1+ng2+・・・
が成り立ちそうなので,そのワイソフ構成を用いた簡単な算術規則が存在するに違いない・・・.
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何をいいたいのか,まず,それについて述べてみたい.3次元準多面体,たとえば,切頂八面体はすべての次元を通じて,唯一
[a]空間充填2(2^n−1)胞体
かつ
[b]空間充填2^n+2n胞体
という性質をもつ多面体である.また,その面数ベクトルはf=(24,36,14)で与えられる.
[a]の場合,原正多面体は正四面体で,その面数ベクトルはg=(4,6,4)である.表現の仕方は一意ではないが,たとえば,
24=6・4 (l,m,n)=(6,0,0)
36=6・6 (l,m,n)=(0,6,0)
14=1・4+1・6+1・4 (l,m,n)=(1,1,1)
と書くことができる.
[b]の場合,原正多面体は正八面体で,その面数ベクトルはg=(6,12,8)である.表現の仕方は一意ではないが,たとえば,
24=2・6 (l,m,n)=(2,0,0)
36=3・12 (l,m,n)=(0,3,0)
14=1・6+0・12+1・8 (l,m,n)=(1,0,1)
と書くことができる.
ここでは,特定の次元,特定の準正多面体を使って説明したが,このような関係がすべての次元,すべての準正多面体について成り立つと予想される.すなわち,これは準正多面体版に拡張したオイラーの多面体公式と呼んでもいいものである.
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幾何学的に説明すると,準正多胞体は原正多胞体の基本単体のn次元面の中心Pkと中心Oを結ぶ直線に垂直にn次元超平面で切頂,切稜したものであるから,このような関係式が成り立つことは自明のように思われる.
すなわち,人間の年齢なら負の値はとらないとか(一般常識),水の温度は0℃以上100℃以下とか(物理学的性質)と同様の常識で説明できるのではないかという気もするのであるが,どの本にも記載されていないし,ましてやその証明も読んだことがない.
いまのところ,頂点数f0,ファセット数fn-1については正しいことが証明されたが,任意の次元の辺や面の個数fkの一般式についても成り立つだろうと予想され,近い将来証明されるであろうと期待されるのである.
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