■地図と三角法(その5)

 地図投影の中で,もっとも単純なのは円筒を使って平面にする円筒図法であろう.円筒投影では赤道で接触している円筒に対して,地球の中心から投影するもので,円筒が開けられたとき平面地図が得られる.

  x=Rλ,y=Rtanφ

 もし,赤道上の対蹠点から投影するならば

  x=Rλ,y=2Rtan(φ/2)

無限遠点から投影するならば

  x=Rλ,y=Rsinφとなる.

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 サンソン図法やモルワイデ図法は,円筒を横に巻き付けて1本の経線(中央経線)で接するようにしておいて,赤道上の対蹠点から投影する図法のように見えるが,本当だろうか?

 円筒を横に巻き付けて,赤道上の対蹠点から投影するならば

  x=2Rtan(λ/2),y=Rφ

となるが,このとき,経線(λ=λ0,−π/2≦φ≦π/2)はどんな曲線(x,y)に投影されるのだろうか?

 xは一定であるから,直線となってしまう.無限遠点からの投影であったとしても,

  x=Rsinλ0,y=Rφ

は直線になり,経線が正弦曲線やあるいは楕円で近似できるものではないということになる.どこが間違っているのだろうか?

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