■デューラーの八面体の製作(その12)
これまで,
[1]デューラーの八面体が外接球と内接球を同時にもつ双心多面体であるためには,d=1.43929
[2]球に内接し,かつ,入れ子構造を持つためには,
d=√(13/7)=1.36277
であることがわかっています.
今回のコラムではデューラーの八面体の2次元対応物である六角形を求めてみます.菱形の対角線の長さを2dと2として,
A=(0,1)
B=(−d,0)
C=(0,−1)
D=(d,1)
とおきます.
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【1】切頂菱形の計量
[1]外接円をもつための条件
x^2+y^2=1
x/d+y=1
の交点のx座標は
x=2d/(d^2+1)
切頂率をtとすると
d−x:d=t:1
t=(d^2−1)/(d^2+1)=1−2/(d^2+1)
[2]内接円をもつための条件
原点からx/d+y=1までの距離は
x=1/√(1+1/d^2)
d−x:d=t:1
t=1−1/√(d^2+1)
[3]入れ子構造をもつための条件
菱形を横長方向に内接させることはできないから,縦長方向に内接させる.
A’=(0,1)
B’=(−1/d,0)
C’=(0,−1)
D’=(1/d,1)
x=1/d
d−x:d=t:1
t=1−1/d^2
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【2】円に内接し,かつ,入れ子構造を持つ場合
t=1−2/(d^2+1)
t=1−1/d^2
より,
2/(d^2+1)=1/d^2
d=1 (正方形)
これは切頂菱形にはならない.
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【3】外接円と内接円を同時にもつ場合
t=1−2/(d^2+1)
t=1−1/√(d^2+1)
より,
2/(d^2+1)=1/√(d^2+1)
d=√3 (白金菱形)
ポンスレーの不定命題より,双心六角形は無数にあるが,この切頂菱形は正六角形である.したがって,デューラーの八面体の2次元対応物は正六角形となる.
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