■デューラーの八面体の製作(その11)

【1】外接球と内接球を同時にもつ場合

 デューラーの八面体が外接球と内接球を同時にもつ双心多面体であるための必要条件

  d^3+4d^2/√3−7d+4/√3=0

の解は

  d=1.43929

です.

 A,B,Cを菱形六面体からデューラーの八面体を作るために必要な諸計量値とします.その内訳は,A,Bが菱形六面体を作るのに必要な計量値,Cとtが切頂に必要な計量値です.

  θ=69.5822

  A=37.5055

  B=25.1381

  C=48.7874

  t=.697728

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【2】球に内接し,かつ,入れ子構造を持つ場合

  θ=72.5425

  A=38.3288

  B=21.8454

  C=46.9113

  t=.6

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【3】球に内接するが,入れ子構造を持たない場合

 黄金菱面体(d=(√5+1)/2=1.61803),白銀菱面体(d=√2=1.41421),菱形の頂角72°の菱面体(d=√((5+2√5)/5)=1.37638)を切頂したデューラーの八面体では,それぞれ

  θ=63.4350 70.5288 72

  A=36 37.7613 38.1727

  B=31.7174 24.0948 22.4555

  C=52.6227 38.1727 47.2567

  t=.894427 .666667 .618034

と計算されました.

 72°というのはdの値が解析的に求められる特別の角であって,正五角形(黄金比)と関係していることは説明するまでもないでしょう.ここで面白いことがわかります.72°のときのtは

  t=(√5−1)/2=0.61803=1/τ

  τ=(√5+1)/2

と表されるのです.このことからデューラーの八面体の頂角が72°だとする結論は幾何学的には誤りであっても,数秘術的にはまったく正しいものに思えます.

 その他には76°説,80°説,82°説などがあるそうですが,参考までに菱形の頂角が76°(d=1.27994),80°(d=1.19175),82°(d=1.11061)の場合も掲げておくと

  θ=76 80 82

  A=39.3836 40.7458 41.4913

  B=17.8787 13.1018 10.6265

  C=44.6915 42.0786 40.7513

  t=.483846 .347298 .278349

 以下に,中川宏さんが製作したデューラーの八面体の木工模型(θ=72°)を掲げます.

 なお,頂角が60°(d=1.73205),90°(d=1)の場合は

  θ=60 90

  A=35.2644 45

  B=35.2644 0

  C=54.7357 35.2645

  t=1 0(切頂しない)

で,切頂形はそれぞれ辺の長さの等しい正八面体,立方体になります.

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