■デューラーの八面体の製作(その4)
菱形の1辺の長さと外接球の半径の関係についての照会があったので,計算してみたい.なお,この多面体が内接球をもつかどうかについては,計算していない.
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【1】計量(その1)
菱形の対角線の長さを2dと2,また,この菱形の鋭角が60°より大きく90°より小さいとすると,dの取りうる値は
1<d<√3
の範囲にあります.
菱形の1辺の長さをLとすると,L=(d^2+1)^1/2
菱面体の中心の座標は(d+x/2,0,z/2)ですから,8頂点のうち6つ
(d,1,0),(d,−1,0),(2d,0,0)
(x,0,z),(d+x,1,z),(d+x,−1,z)
までの距離r1はすべて等しく
r1^2=(x^2+z^2)/4+1=(d^2+1)/4+1
と計算されます.すなわち,これらは半径r1の同心球面上に位置します.
r1^2=L^2/4+1
(r1/L)^2=1/4+1/L^2=1/4+1/(d^2+1)
d=√(13/7)を代入すると
(r1/L)^2=1/4+1/L^2=1/4+7/20=3/5
r1/L=√(3/5)=.774597
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【2】計量(その2)
扁長菱面体の8頂点のうち6つは同心球面上に位置しますが,菱形の鋭角が3つ集まって構成される2つの頂点はこの球には内接しません.すなわち,この菱面体の8つの頂点は2つの同心球面上(6つは内側の球面に,2つは外側の球面に)に位置することになります.
菱形の鋭角が3つ集まって構成される2つの頂点
(0,0,0),(2d+x,0,z)
までの距離は等しく
R^2=(d+x/2)^2+(z/2)^2=(9d^2−3)/4
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【3】計量(その3)
2つの頂点を切頂して球に内接する多面体を作ったわけですが,菱形六面体を球に内接するように切頂すると,新たに正三角形面が2面できます.
そこで,切頂によってできる正三角形面
(td,t,0),(td,−t,0),(tx,0,tz)
(2d+x−td,−t,z),(2d+x−td,t,z),(2d+x−tx,0,z−tz)
のそれぞれの中心(重心)
((2d+x)t/3,0,zt/3)
((2d+x)(1−t/3),0,z(1−t/3))
を通る球の半径r2を求めてみることにします.
この球の半径は,前節の6頂点を通る球の半径
r1^2=(x^2+z^2)/4+1=(d^2+5)/4
より小さく
r2^2={(d+x/2)^2+(z/2)^2}(1−2t/3)^2
=R^2(1−2t/3)^2
で与えられます.
したがって,R/r2比は
R/r2=1/(1−2t/3)=3/(1−2t)
となりますが,ここでtは切頂比であって
t=2(d^2−1)/(d^2+1)
と計算されます.
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