■Gの定説

 ドクターGは本来は学者肌の人ですが,同時に独特の時代感覚をもっていて,鋭い社会論評もよく彼の才能を証明していました.ときには独自の定説の宣伝もしたりします.

 氏のHP(http://naokihiro.hiho.jp)をみると,定説は四部作

[1]恋愛の法則

[2]教育序説

[3]回転モデル

[4]宇宙の法則

からなっています.

 このラインナップはデカルトやカントの著作集を彷彿させますが,まずテーゼがあって,アンチテーゼとの相克ののちアウフヘーベンされるという形式の主張になっているのだと思われます.したがって,その価値を発見するためには知性だけでなく,どのようなものが本質的なものかを見破る感性も必要となるでしょう.

 優れた学者は論文以外の雑文を書くなどという堕落は決してしないもので,このような幅の広い才能は,学問の世界でも,現実的な世界でも居心地の悪い思いをするものです.したがって,研究者としてのドクターGの一行一動に対しては,毀誉褒貶さまざまあると思います.

 しかし,批判を畏れず書いたからには数百年にひとつの秀逸で,デカルトやカントに並び賞される定説であってほしいものです.また,読むからには(出版前ということで私もまだ読んでないのですが)彼のこれまでの研究生活を思い浮かべながら,多数の至言・至宝を発見したいと思っています.

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