■相似分割(その2)

 新たに生じる正三角形同士は合同である必要はないとして,n個の自分自身と相似な正三角形に分割する問題は,n=4またはn≧6ならば可能であることが知られている.

 正三角形に限らず正方形の場合も同様に,新たに生じる正方形同士は合同である必要はないとして,n個の自分自身と相似な正方形に分割する問題は,n=4またはn≧6ならば可能であることが知られている.

 今回のコラムではこれらについて証明してみたい.

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 正三角形の3辺の中点を結ぶと,もとの正三角形は合同な4つの正三角形に分割される(ミツウロコ型).正方形の対辺の中点を結ぶと,もとの正方形は合同な4つの正方形に分割される(田の字型).

 正三角形の3辺の3等分を結ぶと,もとの正三角形は合同な9つの正三角形に分割される.正方形の対辺の3等分点を結ぶと,もとの正方形は合同な9つの正方形に分割される(囲の字型).

 もとの三角形(正方形)を大三角形(大四角)として,これらのなかでミツウロコ型(田の字型)を中三角形(中四角形)とみなすと,もとの正三角形(正方形)は1つの中三角形(中四角形)と合同な5つの小三角形(小四角形)の6つの三角形,四角形に相似分割される.

 すなわち,正三角形(正方形)は4個あるいは6個の正三角形(正方形)に分けることができる.分ける際,正三角形(正方形)は3個あるいは5個ずつ増えていく.

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 以下,7より大きい個数なら,相似分割できることを数学的帰納法を用いて証明する.

[1]8=5+3,9=3+3+3,10=5+5

[2]8→11→14→・・・

   9→12→15→・・・

   10→13→16→・・・

[3]k,k+1,k+2個に相似分割できるならば,k+3,k+4,k+5個に相似分割できることになる.

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