■ラマヌジャンが編み出した数学上の技巧(その8)
エルデシュは生涯にわたり取り組みがいのある問題を発案し続けたので,エルデシュの問題と呼ばれるものは数え切れないほどある.たとえば「n!+1=x^2の整数解を求めよ」について,エルデシュ自身は3組の解,4!+1=5^2,5!+1=11^2,7!+1=71^2しかないと予想した.現在のところ有限個の解しかないのかどうかもわかっていない.n!+1=x^2の解はn=4,5,7のみか?
ラマヌジャンの問題「2^n−7=x^2の整数解を求めよ」について,n=10^40までコンピュータ検索したが,ラマヌジャン自身が示した解
n=3,4,5,7,15
以外の解を発見することはできなかったという.最近,この5組以外の解はないことが証明された.証明はかなり難しいらしい.
今回のコラムでは,この問題に関係するより初等的な問題
「3・2^n+1=x^2の整数解をすべて求めよ」
について考えてみたい.
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【1】3・2^n+1=x^2の整数解
3・2^n+1=x^2 (mod3)
を考えれば,
n>0のとき,1=x^2
n=0のとき,1=x^2
xは3で割り切れないから,x=3k+1あるいはx=3k+2.
[1]x=3k+1のとき
3・2^n+1=9k^2+6k+1
3・2^n=9k^2+6k=3k(3k+2)
2^n=k(3k+2)
k=2→x=7→n=4
k≧3とすると,4k>3k+2>2kより,kと3k+2は同時に2の累乗ではない.
[2]x=3k+2のとき
3・2^n+1=9k^2+12k+4
3・2^n=9k^2+12k+3=3(2k+1)(k+1)
2^n=(3k+1)(k+1)
k=0→x=2→n=0
k=1→x=5→n=3
k≧2とすると,4(k+1)>3k+1>2(k+1)より,k+1と3k+1は同時に2の累乗ではない.
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