■問題をさらに先に進める(その2)
正方形をすべて大きさの異なる正方形で埋め尽くすことができるか?
(その1)では
[1]1951年,ウィルコックスは位数24,1辺175のものを発見しました.これもその中に完全長方形が含まれていましたが,それでもこれ以上位数の少ない完全正方形は存在しないだろうと予想されていました.
[2]1962年,デゥイヴェスチジンは正方形に正方形を敷き詰めるのに少なくても21枚の正方形が必要なことを証明し,1978年までに
50,29,33,25,4,37,35,15,9,16,2,7,17,18,42,11,6,27,8,24,19
の21個の正方形からなる単純(分断線ができないこと)かつ完全(分割を構成する正方形がすべて異なる大きさであること)な正方形分割が最小かつ唯一(他には存在しない)のものであることを証明しました.
と書いたが,位数に誤りがあるようだ.
私の記述は必ずしも正確ではないので注意してほしい.
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[1]1951年,ウィルコックスは位数24(→位数25)のものを発見しました.これもその中に完全長方形が含まれていましたが,それでもこれ以上位数の少ない完全正方形は存在しないだろうと予想されていました.
[2]1962年,デゥイヴェスチジンは正方形に正方形を敷き詰めるのに少なくても21枚(→20枚)の正方形が必要なことを証明し,1978年までに
50,29,33,25,4,37,35,15,9,16,2,7,17,18,42,11,6,27,8,24,19
の21個(→20個,2,4,6,7,8,9,11,15,16,17,18,19,24,25,29,33,35,37,42,50)の正方形からなる単純(分断線ができないこと)かつ完全(分割を構成する正方形がすべて異なる大きさであること)な正方形分割が最小かつ唯一(他には存在しない)のものであることを証明しました.
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なお,20か21に関連して
[1]ルービックキューブの配置は約43×10^18通りあるが,いかなる配置もn手以下で解けるという最小手数はいくつかという数学問題があり,この問題の解は「神の数」と呼ばれるようになった.ロキッキは195億通りの配置を調べ神の数が22以下であることを突き止めたが,彼は神の数が20であることを確信しているという.はたせるかな,2010年7月,トマス・ロキッキは神の数が20であることを証明した.ルービックキューブのいかなる配置も20手以下で解けるのである.
[2]同じサイズの正四面体の頂点を1つの点の周りに集める.最大何個の正四面体を集めることが可能か?
正20面体の20個の四面体を正四面体に置き換えるとそれらの間には小さい隙間ができる.隙間をうまく集めることができればもうひとつの正四面体を入れることができる可能性はあるが,最大個数は20個と予想される.
なお,23個以上は不可能であることは以下のようにして証明される.
[証]正四面体の二面角はcosθ=−1/3.球面正三角形の面積をSとすると,
S=3θ−π=0.5512・・・
最大個数をnとすると,
20≦n≦4π/S=22.7
しかし,最大個数が20個であることを証明するのは(たとえ可能であるとしても)結構難しいものになる.
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