■追跡曲線(その24)
正方形の4つの頂点の1匹ずつ犬がいる.それぞれ,同じ速さで隣の犬を追いかけたとする.それぞれの犬はいつも前方にいる犬に向かって同じスピードで進む.4匹の犬を結ぶ図形は回転しながら次第に小さくなる正方形になり,元の正方形の中心で出会うことになる.
[Q]このとき犬のたどる軌跡とその長さは?
[A]等角らせんで,正方形の1辺の長さに等しい
このシリーズは正方形の追跡曲線の問題を正n角形の場合,すなわち,
[Q]正n角形の4つの頂点の1匹ずつ犬がいる.それぞれ,同じ速さで隣の犬を追いかけたとする.それぞれの犬はいつも前方にいる犬に向かって同じスピードで進む.n匹の犬を結ぶ図形は回転しながら次第に小さくなる正n角形になり,元の正n角形の中心で出会うことになる.このとき犬のたどる軌跡とその長さは?
に一般化したものである.
今回のコラムではこれまでのまとめをしておきたい.
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【1】等角らせん
等角らせんとは
r=a^θ
により表される曲線である.中心角θが一致の角度進む毎に中心からの距離rの値が一定倍になるのであれば,追跡曲線の問題もおおよそ等角らせんとなる渦巻きを描くのである.
また,等角らせんは動径をいつも一定の角度で横切るという特徴がある.
r=aexpbθ
とした場合,動径ベクトルと速度ベクトルのなす角は
cosφ=b/(b^2+1)^1/2
であるから,φはθによらず一定である.
cosφ=b/(b^2+1)^1/2
(cosφ)^2=b^2/(b^2+1)
b=cotφ
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【2】追跡曲線での一般解
追跡曲線では
φ=π/2−π/n
となるから,
b=tan(π/n)
n=3のとき,b=√3
n=4のとき,b=1
n=5のとき,b=√(5−2√5)
n=6のとき,b=1/√3
n=8のとき,b=√2−1
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【3】追跡曲線の弧長
1辺の長さが1の正n角形を考える.その面積は
S=n/4・cot(π/n)
また,隣接する2辺とその弦からなる三角形の面積は
S0=1/2・sin(2π/n)=sin(π/n)cos(π/n)
m=S0/S=4/n・(sin(π/n))^2
mn=4・(sin(π/n))^2
また,対数らせんの方程式をr=a^θとした場合,
a=exp(√(mn/(4−mn)))=exp(tan(π/n))
になる.
r=aexpbθとした場合は,
b=√(mn/(4−mn))=tan(π/n)
で与えられる.これは[2]の結果と一致している.
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