■追跡曲線(その13)
対数らせんの方程式は
r=a^θ,dr/dθ=a^θloga
になる.
今回のコラムでは
[Q]正方形の4つの頂点の1匹ずつ犬がいる.それぞれ,同じ速さで隣の犬を追いかけたとする.それぞれの犬はいつも前方にいる犬に向かって同じスピードで進む.4匹の犬を結ぶ図形は回転しながら次第に小さくなる正方形になり,元の正方形の中心で出会うことになる.このとき犬のたどる軌跡は?
[A]対数らせん
の問題点を洗い出してみたい.
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【1】動機
一般に与えられた平行四辺形の各辺を同じ倍率kで伸縮した位置に点をとって作った四角形の面積は,もとの平行四辺形の面積の
M=2k^2−2k+1=2(k−1/2)^2+1/2
倍になる.
k=1/3 → M=5/9
k=1/2 → M=1/2
k=2/3 → M=5/9
k=1 → M=1
k=3/2 → M=5/2
k=2 → M=5
となる.
k=2の場合,拡大四角形の1辺の長さは√5になる.ここで,余弦定理
1^2=2^2+(√5)^2−2・2・√5cosα
cosα=2/√5
θがarccosα進む毎にrの値が√5倍になる→B=√5の1/arccosα乗
もし,r=aexpbθの形であれば
B=expb=√5の1/arccosα乗
b=1/2arccosαlog5
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
k=3の場合,拡大四角形の1辺の長さは√13になる.ここで,余弦定理
2^2=3^2+(√13)^2−2・3・√13cosα
cosα=3/√13
θがarccosα進む毎にrの値が√13倍になる→B=√13の1/arccosα乗
もし,r=aexpbθの形であれば
B=expb=√13の1/arccosα乗
b=1/2arccosαlog13
となって,一意に定まらないからである.
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【2】計算結果
一意に定まらないどころか,かなりの食い違いをみせる.
k B
1.2 3.27704
1.4 3.85748
1.6 4.45225
1.8 5.05786
2 5.67249
2.2 6.29512
2.4 6.92513
2.6 7.56211
2.8 8.20575
3 8.85577
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