■n次元の立方体と直角三角錐(その220)
(その214)(その215)では大域的に調べる方法をとった.万事窮すと思われるが,藁にもすがる思いで、局所的に調べてみたい.
大域的あるいは局所的に調べることによって,f1公式は幾分「ベルトランのパラドックス」にも似た様相を呈してきた.
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【1】大域的と局所的
[1]大域的
k次元胞数をfkとおく.
n次元正軸体:fk=(n,k+1)2^(k+1)
n次元正単体:fk=(n+1,k+1)
[2]局所的
ひとつの稜線を構成する点の数をk1(常に2),ひとつの多角形を構成する辺の数をk2,・・・とおくと,n次元正軸体は
(2,3,4,・・・,n,2^n)
n次元正単体は
(2,3,4,・・・,n,n+1)
になる.
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【2】局所的
[1]形状ベクトル[1,1,1]の場合,P0,P1まわりのQ数を考えたい.
2次元面上には6個のQがある.P2まわりのQ数は6である. (OK)
2次元面には(3,2)=3本の辺がある.P1まわりのQは6/3=2. (OK)
2次元面には(3,1)=3個の頂点がある.P1まわりのQは6/3=2である. (OK)
[2]形状ベクトル[1,1,0]のP0,P1まわりのQ数は?
1次元面上には2個のQがある.P1まわりのQ数は2である. (OK)
1次元面には(2,2)=1本の辺がある.P1まわりのQは2/1である. (OK)
1次元面には(2,1)=2個の頂点がある.P0まわりのQは1である. (OK)
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【3】ベルトランのパラドックス
(Q)中心O,半径rの円の内部に任意の点Pをとるとき,
OP<r/2
である確率はいくらか?
(A1)中心O,半径r/2の円の内部であるから1/4
(A2)点Pは半径上の点であるから1/2
(A3)点Pは半径を直径とする半円周上の点であるから1/3
このように色々の解が考えられるが,こられ3つの解はどれも一応もっともである.ひとつの問題に対して幾通りもの違った解が導かれるのは驚きであって,ベルトランのパラドックスと呼ばれている.なぜ違った答えがでてきたのか,それは点分布のランダムネスの考え方の違いに基づいていることは明らかであろう.
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