■n次元の立方体と直角三角錐(その215)

  f1=Σf0/2≦n/2・f0

はすべての多面体は単純多面体よりも単純(シンプル)であり,複雑多面体(コンプレックス)は存在しないという意味であるから,明らかに間違っている.

 もし,f0/gkが2以下であれば面を形成しない可能性もあるから,2を越えるときだけ加算するのが当初考えた方法である.簡単ではないかもしれないが,どんな間違いが起こっているのか,確かめてみたい.

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[1]形状ベクトル[1,1,1]の場合

  k=2,j=1,i=0→Gk=(k+1,j+1)(j+1,i+1)=6

  正八面体,正四面体のg2の6倍になっている.

 原正多面体が正八面体のとき,f0=48,g0=6,g1=12,g2=8

 原正多面体が正四面体のとき,f0=24,g0=4,g1=6,g2=4

になるが,P0まわり,P1まわり,P2まわりともf0/gk>2であるから,

  f1=3/2・f0(単純多面体)

になる.  (OK)

[1]形状ベクトル[1,1,0]の場合

  k=1,j=0→Gk=(k+1,j+1)=2

  正八面体,正四面体のg1の2倍になっている.

 原正多面体が正八面体のとき,f0=24,g0=6,g1=12,g2=8

 原正多面体が正四面体のとき,f0=12,g0=4,g1=6,g2=4

 P0まわりではf0/gk>2であるが,P1まわりではf0/gk≦2なので加算しない.P1まわりだけ加算するのでは間違いが起こって当たり前である.

 そのかわり,P2まわりでは3辺上に6点があるから,

  6・g2

を加算すれば,

  f1=Σf0/2=(f0+6g2)/2  (OK)

[3]形状ベクトル[1,0,1]の場合

  k=2,j=0→Gk=(k+1,j+1)=3

  正八面体,正四面体のg2の3倍になっている.

正八面体:f0=24,g0=6,g1=12,g2=8

正四面体:f0=12,g0=4,g1=6,g2=4

 P0まわり,P2まわりではf0/gk>2であるが,P1まわりではf0/gk≦2なので加算しない.しかし,実際はP1まわりには正方形ができるのでNG.この原因は2次元面にできる三角形の向きによるものである.

[4]形状ベクトル[0,1,1]の場合

  k=2,j=1→Gk=(k+1,j+1)=3

  正八面体,正四面体のg2の3倍になっている.

正八面体:f0=24,g0=6,g1=12,g2=8

正四面体:f0=12,g0=4,g1=6,g2=4

 P0まわり,P2まわりではf0/gk>2であるが,P1まわりではf0/gk≦2なので加算しない.[3]とは2次元面にできる三角形の向きが逆になっていて,そのかわり,P0まわりには正八角形ができている.  (NG)

 やはりf1公式は一筋縄ではいかないようだ.基本的に組み合わせ論的な問題ではなく,計量的な問題なのである.

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