■n次元の立方体と直角三角錐(その212)

 PkまわりのQの数についてはわかっていて,それがf0公式に繋がったのであるが,P0〜Pk-1まわりのQの数を直接求める方法がほしいところである.

 しかし,見通しがつかず,双対多面体から間接的に求めてみたいと思う.

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【1】双対

 k次元胞数をfkとおく.

  n次元正軸体:fk=(n,k+1)2^(k+1)

  n次元正単体:fk=(n+1,k+1)

 正単体の双対は正単体であるが,正軸体の双対は立方体であるから,k→n−k−1と置換すると

  n次元立方体:gk=(n,k)2^(nーk)

が得られる.

 また,ひとつの稜線を構成する点の数をk1(常に2),ひとつの多角形を構成する辺の数をk2,・・・とおくと,n次元正軸体は

  (2,3,4,・・・,n,2^n)

n次元正単体は

  (2,3,4,・・・,n,n+1)

になる.n次元立方体では

  (2,4,6,・・・,2(n−1),2n)

のように表記される.

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【2】f0公式

 Pkまわりのf0公式は,

[1]点QがPkにあるとき

  f0=Gkfk,  Gk=(k+1,k+1)=1

[2]点QがPjPkにあるとき

 PjPk(j<k)はk次元胞の中心Pkからj次元胞の中心に向かう線分の数であるから,その数はk次元胞は何個のj次元胞で構成されているかに一致する.

 当該の数は,

  Gk=(k+1,j+1)

となるから,

  f0=Gkfk

  j=k−1ならばGk=(k+1,k)=(k+1,1)=k+1

  j=k−2ならばGk=(k+1,k−2)=(k+1,2)=k(k+1)/2

となる,

[3]点QがPiPjPkにあるとき

 PiPjPk(i<j<k)はk次元胞の中心Pkからj次元胞の中心に向かう線分の数であるから,その数はk次元胞は何個のj次元胞で構成されているかとj次元胞の中心Pjからi次元胞の中心に向かう線分の数であるから,その数はj次元胞は何個のi次元胞で構成されているかに依存する.

 すると,当該の数は,

  Gk=(k+1,j+1)(j+1,i+1)

となるから,

  f0=Gkfk

  j=k−1ならば(k+1,k)=(k+1,1)=k+1

  i=j−1ならば(j+1,j)=(j+1,1)=j+1

となり,

  Gk=(k+1,j+1)(j+1,i+1)=(k+1)(j+1)=k(k+1)

となる.

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【3】双対版のf0公式

 Pkまわりのf0公式は,

[1]点QがPkにあるとき

  f0=Gkfk,  Gk=(k,k)2^(kーk)=1

[2]点QがPjPkにあるとき

 PjPk(j<k)はk次元胞の中心Pkからj次元胞の中心に向かう線分の数であるから,その数はk次元胞は何個のj次元胞で構成されているかに一致する.

 当該の数は,

  Gk=(k,j)2^(kーj)

となるから,

  f0=Gkfk

  j=k−1ならばGk=2(k,k−1)=2k

  j=k−2ならばGk=2^2(k,k−2)=2k(k−1)

となる,

[3]点QがPiPjPkにあるとき

 PiPjPk(i<j<k)はk次元胞の中心Pkからj次元胞の中心に向かう線分の数であるから,その数はk次元胞は何個のj次元胞で構成されているかとj次元胞の中心Pjからi次元胞の中心に向かう線分の数であるから,その数はj次元胞は何個のi次元胞で構成されているかに依存する.

 すると,当該の数は,

  Gk=(k,j)2^(kーj)(j,i)2^(j-i)

となるから,

  f0=Gkfk

  j=k−1ならば(k,j)2^(kーj)=2k

  i=j−1ならば(j,i)2^(j-i)=2j

となり,

  Gk=(k,j)2^(kーj)(j,i)2^(j-i)=4k(k−1)

となる.

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