■剛性をもつ骨格構造(その4)
3×3格子の場合の最少筋交い数は5である.6や7では多すぎ(冗長)だが,4では少なすぎ,すなわち筋交いを5から1カ所取り除くだけで構造物の剛性が損なわれてしまう.
[Q]一般に,n×m格子の最少筋交い数はいくつになるだろうか? また,筋交いをどこに配置すべきか?
[A]答えを先にいうと,最少筋交い数は
n+m−1
であり,それを越える場合はいくつかの筋交いを削除することが常に可能である.今回のコラムではこのことを証明してみたい.
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[証]2次元骨組みにおいて,v頂点を抑え込むのに必要な最少の棒材数は
e=2v−3
である.
n×m格子の格子点数と辺数は
v=(n+1)(m+1)
e=n(m+1)+m(n+1)
したがって,不足している辺数は
2v−3−e=n+m−1
これを越える場合はいくつかの筋交いを削除することが常に可能である.
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[Q]n×m格子の筋交いをどこに配置すべきか?
[A]格子の補強は完全2部グラフKn,mのサブグラフとして表現することができる.そして,サブグラフが木である場合(回路を持たない場合)(かつその場合に限り)最少である.
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