■渦巻き状に並ぶ三角形列タイル
【1】黄金三角形
黄金三角形にはタイプ1(36°,72°,72°の二等辺三角形)とタイプ2(108°,36°,36°の二等辺三角形)がある.
タイプ1の底角からを36°の方向に線を引くと,底角は二等分され,タイプ1と相似な黄金三角形とタイプ2の黄金三角形ができる.この手順を繰り返すと,2種類の黄金三角形が渦巻き状に並ぶ三角形の列を作ることができる.
5回回転対称のペンローズ・タイル貼りの中にも渦巻く黄金三角形列をみることができる.また,このとき,タイプ1の頂角は5回で反対側を向き,10回で元に戻るから,DNAの2重らせんさながらである.
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【2】ルービックのスパイドロン
ルービックキューブで有名なルービックは,建築家(ブダペスト応用大学の教授)で数学者ではないが,正三角形と二等辺三角形が少しずつ縮小しながら交互に連なる新しい図形「スパイドロン」を考案した.
1:√3:2の直角三角形の直角と斜辺の中点を結ぶと,三角形は2分され,(60°,60°,60°)の正三角形(タイプ1)と(120°,30°,30°の二等辺三角形(タイプ2)ができる.そして,正三角形の1辺上に相似なタイプ2の底辺を連ねる.この手順を繰り返すと,正三角形と二等辺三角形が少しずつ縮小しながら渦巻き状に並ぶ三角形の列を作ることができる.
スパイドロンは2次元にも3次元にもタイルのようにして繋げられるが,スパイドロンのこの充填的な性質はやがて数学者や技術者,彫刻家を魅了した.スパイドロンボールは込み入った渦巻きパターンを持つ立体で,たとえばミウラ折りのように太陽電池パネルのデザインにも応用できるからだ.
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