■書ききれなかった微分積分の話(その1)
連休を利用して,家族とともに京都の美術館や雑貨屋さん巡り.先週は京都大学で研究会があり,その束の間の家族孝行であった.昨夕帰仙.
特別講演「木工多面体の数理」の企画自体は満足してもらえたものと思う.日本は折り紙最先端国であり,折り紙は日本の伝統的お家芸であるから,折り紙についてはしばしば企画されるが,木工多面体についてはおそらく初めてであるからだ.
座長の阿原一志先生(明治大学)への感謝を込めて,
[参]阿原一志「考える微分積分」数学書房
より,これまで書ききれなかった微分積分の話を取り上げたい.
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【1】コラム「追跡曲線」の補足
r=aexpbθ
の動径ベクトルは
(x,y)=(aexpbθcosθ,aexpbθsinθ)
速度ベクトルは
(vx,vy)=(aexpbθ(bcosθ−sinθ),aexpbθ(bsinθ+cosθ)
である.
ここで,動径ベクトルと速度ベクトルのなす角は
cosφ=b/(b^2+1)^1/2
であるから,φはθによらず一定である.
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【2】コラム「曲線等分問題」の補足
[1]カージオイドの全長
r=1+cosθ
r’=−sinθ
r^2+(r’)^2=(2cosθ/2)^2
L=2∫(0,π)(r^2+(r’)^2)^2dθ=8
[2]カージオイドの囲む面積
S=1/2∫(0,2π)r^2dθ=3π/2
[3]レムニスケートの囲む面積
r^2=a^2cos2θ
S=2/2∫(-π/4,π/4)r^2dθ=a^2
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[Q1]2つの円柱が直交しているときの共通部分(太った正八面体)の体積を求めよ.
[A1]16/3
[Q2]3次元アステロイドの体積を求めよ.
|x|^2/3+|y|^2/3+|z|^2/3≦|
[A2]4/35π
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