■折り紙と正多角形(その14)

 芳賀の定理

[定理]折り紙のひとつの角が辺の任意の点に来るように折って元に戻す.もうひとつの角を同じ点に合わせて折り元に戻す.このときできる交点は正方形の中心線上に来る.また,交点から任意の点までの距離と交点から対辺の2つの角までの3つの距離は常に等しくなる.

は,折り紙の文献にも引用される(おそらく)一番話題の方法である.

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【1】別証

 正方形ABCDのDA上に点Xをとり,DX=xとする.XA=1−x.次に点CをXに折り込む.点Bの移った先をB’,折り目をEFとする.ただし,EとFはそれぞれ辺CDと上にあるとする.また,AFとXB’の交点をGとする.ED=yとすれば,EX=EC=1−y.さらに,AG=zとする.

 △EDXは直角三角形なので

  x^2+y^2=(1−y)^2

  x^2=1−2y → y=(1−x)(1+x)/2

 2つの直角三角形△DXEと△AGXは相似なので

  z/(1−x)=x/y

  z=x/y(1−x)=2x/(1+x)

 ここで,x=1/n(線分のn等分割点)と仮定すると

  z=2/(n+1)

たとえば,

  XがADの中点(x=1/2)のとき,n=2 → z=2/3

  x=1/3のとき,n=3 → z=1/2

  x=1/4のとき,n=4 → z=2/5

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