■折り紙と正多角形(その7)

 今回のコラムでは,もうひとつの芳賀の定理

[定理]折り紙のひとつの角が辺の任意の点に来るように折って元に戻す.もうひとつの角を同じ点に合わせて折り元に戻す.このときできる交点は正方形の中心線上に来る.また,交点から任意の点までの距離と交点から対辺の2つの角までの3つの距離は常に等しくなる.

について考えてみます.

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【1】証明

 1辺の長さが8の正方形の頂点を

  A(−4,8)

  B(−4,0)

  C(4,0)

  D(4,8)

にとる.

 点Cが辺AD上の点P(a,8)に来るように折ると,折り線の方程式はCPと直交するから,y切片をbとすると

  y=(4−a)x/8+b

この直線から点C,Pまでの距離が等しいことから

  |−(4−a)/2−b|=|8−(4−a)a/8−b|

  b=3+a^2/16

 点Bが辺AD上の点P(a,8)に来るように折ると,折り線の方程式はBPと直交するから,y切片をbとすると

  y=−(4+a)x/8+b

この直線から点B,Pまでの距離が等しいことから

  |−(4+a)/2−b|=|8+(4+a)a/8−b|

  b=3+a^2/16

 y切片は等しくなるが,交点のx座標は

  (4−a)x/8+3+a^2/16=−(4+a)x/8+3+a^2/16よりx=0.すなわち,交点は正方形の中心線上

  (0,3+a^2/16)

にある.

 また,このとき,交点から任意の点までの距離と交点から対辺の2つの角までの3つの距離は等しくなる.

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