■n次元原子の電子軌道(その2)
4次元では,奇数の和
1+3+5+・・・+(2l+1)=(l+1)^2
5次元では,平方数の和
1+4+9+・・・+(l+1)^2=(l+1)(l+2)(2l+3)/6
6次元では,立方数の和
1+8+27+・・・+(l+1)^3=(l+1)^2(l+2)^2/4になるのかという質問が届いたが,無論そうではない.このコラムを借りて答えたい.
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l=0(s軌道)はnが何であっても1である.(l,n)は左隣の列を一番上から同じ高さまでたどって和をとればよいから.
l\n 1 2 3 4 5 6
(s)0 1 1 1 1 1 1
(p)1 1 2 3 4 5 6
(d)2 0 2 5 9 14 20
(f)3 0 2 7 16 30 50
(g)4 0 2 9 25 55 105
すなわち,k=l+1として
Σk(k+1)(2k+1)/6=(2Σk^2+3Σk+Σ1)/6
=k(k+1)^2(k+2)/12
=(l+1)(l+2)^2(l+3)/12
で与えられる.
以上のことは,n次元原子の電子軌道は物理的にはそれより低い次元の原子の電子軌道の性質を受け継いでいることを意味しているのである.
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