■n次元の立方体と直角三角錐(その140)
n次元正軸体の頂点の座標は
(1,0,・・・,0)
(0,1,・・・,0)
・・・・・・・・・・・
(0,0,・・・,1)
で与えられるから,基本単体の座標はk次元面の重心をとることによって,
p0(1,0,・・・,0)
p1(1/2,1/2,0,・・・,0)
p2(1/3,1/3,1/3,0,・・・,0)
・・・・・・・・・・・・・・・・
pn-1(1/n,1/n,1/n,・・・,1/n)
pn(0,0,・・・,0)
正軸体を切頂する場合,すべての辺が同じ長さになるのはどんなときだろうか? また,この切断によって,正軸体の基本単体はどのような形になるのだろうか?
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【1】正軸体の基本単体の切断
3次元の場合,x≧y≧z≧0なる点P(x,y,z)が与えられたとき,ずべての稜線の長さが等しくなるのは,z=0として,点P(x,y,0)からx=y平面,y=z平面までの距離を等しくとると
(x−y)/√2=(y−z)/√2,z=0
→ x=2y,y=y,z=0 (切頂八面体)
点P(x,y,0)のx=y平面に対する鏡映は(y,x,0)であるから,辺の長さは
√2(x−y)=√2y
4次元の場合は,w=0として,点P(x,y,z,0)からx=y平面,y=z平面,z=w平面までの距離を等しくとると
(x−y)/√2=(y−z)/√2=(z−w)/√2,w=0
→ x=3z,y=2z,z=z,w=0
点P(x,y,z,0)のx=y平面に対する鏡映は(y,x,z,0)であるから,辺の長さは
√2(x−y)=√2z
これらは,x+y+z+w=1上の点であるから代入すると,6z=1
→ x=1/2,y=1/3,z=1/6,w=0
一般には,S=n(n−1)/2として
→ x=(n−1)/S,y=(n−2)/S,z=(n−3)/s,・・・,w=0
となることが理解される.
正軸体の頂点をトランケートして,辺の長さが等しくなるように調整するには頂点ベクトルp0pnに垂直なn次元超平面を
x=(n−1)/S=2/n=t
すなわち,n=3のときはx=2/3で切断すればよい.
t(0<t<1)とおくと,超平面x=tと
P(t,0,0,・・・,0)・・・p0pnとの交点
Q(t,1−t,0,・・・,0)・・・p0p1との交点
に引き続き,p0p2との交点は
(t,(1−t)/2,(1−t)/2,・・・,0,0)
以下同様にして,p0pn-1との交点は,
(t,(1−t)/(n−1),(1−t)/(n−1),・・・,(1−t)/(n−1))
と続く.
また,この点からx=y平面,y=z平面,z=w平面,・・・,w=0平面に下ろした垂線の足は,
((x+y)/2,(x+y)/2,z,,・・・,w)
(x,(y+z)/2,(y+z)/2,,・・・,w)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(x,y,z,・・・・・・・・・・・・・・・・,0)
となる.
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【2】小括
超平面x=(n−1)/S=2/n=tはnが偶数のとき,頂点Pn/2-1を通ることが明らかになった.しかも,正軸体の基本単体の切断のほうが超立方体の基本単体の切断よりも簡単に扱えることがわかった.
超立方体の基本単体を2等分するときもnが偶数次元か奇数次元かによって頂点数を分ける必要があったが,3次元空間内では超立方体の基本単体を2等分したものと一致する.4次元空間内では正24胞体になるから,超立方体の基本単体を2等分したものと一致する.
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【3】総括
形状ベクトルは,基本単体の(n−1)次元面
x1+x2+・・・+xn=1
上のどの点を通るによって定まる.
n=4の場合,P1(1/2,1/2,0,0)を通るとき,切頂細胞は
x=y,z=w,w=0
を
(x−y)/√2=(y−z)/√2=(z−w)/√2,w=0
に代入することにより,形状ベクトルは(0,1,0,0)となる.
一方,座標計算は
(x−y)/√2=(y−z)/√2=(z−w)/√2=w
によって行わなう必要がある.
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