■n次元の立方体と直角三角錐(その139)
切頂・切稜型であっても,切頂型であっても,基本単体の(n−1)次元面上の点Q(x,y,z,・・・,w)を通り,辺PkPnに垂直な超平面で基本単体を切断することに変わりはない.切頂型の場合,辺P0Pnはx軸であって,x軸に垂直な超平面で基本単体を切断するのである.
3次元の場合,それぞれの形状ベクトルとの対応を示すと
(x−y)/√2=(y−z)/√2=z→(1,1,1)→大菱形立方八面体
(x−y)/√2=z,(y−z)/√2=0→(1,0,1)→小菱形立方八面体
(y−z)/√2=z,(x−y)/√2=0→(0,1,1)→切頂立方体
(x−y)/√2=0,z=0→(0,1,0)→立方八面体
(x−y)/√2=(y−z)/√2=0→(0,0,1)→立方体
と完全に一致していることがわかる.
切頂八面体では
(x−y)/√2=(y−z)/√2,z=0→(1,1,0)→切頂八面体となってこれもどんぴしゃである.
しかし,ここで困ったことが起こる.4次元切頂八面体では
(x−y)/√2=(y−z)/√2=(z−w)/√2,w=0→(1,1,1,0)となって,(0,1,0,0)=正24胞体にならないのである.何が起こっているのであろうか?
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n=4のとき,点Qは点P1を通るため,x−y=0平面までの距離を定義することができなくなる.n=5のとき,点Qは点P1と点P2を通るため,x−y=0平面,y−z=0までの距離を定義することができなくなる.n=6のとき,点Qは点P2を通るため,x−y=0,y−z=0,z−w=0平面までの距離を定義することができなくなる.
実際,正軸体の切頂面となる(n−1)次元面の頂点は,x=2/nとして
[1]n=3のとき,
(x,x/2,0)
[2]n=4のとき,
(x,x,0,0)
[3]n=5のとき,
(x,x,x/2,0,0)
[4]n=6のとき,
(x,x,x,0,0,0)
[5]n=7のとき,
(x,x,x,x/2,0,0,0)
[6]n=8のとき,
(x,x,x,x,0,0,0,0)
となる.
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[補]3^n−1胞体では,S=n(n−1)/2として
→ nω+S√2ω=1,ω=1/(n+S√2)
x=(1+(n−1)√2)ω,y=(1+(n−2)√2)ω,z=(1+(n−3)√2)ω,・・・,w=ω,辺の長さは2ωであるから,
x=(1+(n−1)√2)/(n+S√2)
となる.
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