■詐欺ジョンソン・ザルガラー多面体?(その15)
中川さんは職人的な感で,次々とニアミス多面体を作り出す.しかし,それを検証するメンツのレベルはというと,私は元々数学者としての教育は受けていないし,阪本氏は数学者としての教育を受けているものの,日常的にMathematicaを使っているがゆえにかえって基本的な知識を忘れてしまっているソフトウェア技術者である.
そのまま非線形連立方程式を解析的に解くのがよいか,関口先生のように変数を消去て勝負に持ち込むのが王道かもと迷うところであるが,どちらがよいか?
プロの数学者ならば数値解と解析解の重要性を間違えることはなく,これぐらい分からないといけないのだけれども,そうなると私も代数学のイロハから学び直さなければならぬ.そんなこんなで,こちらの不用意な発言で大家の感情を害したり,不快感を与えることは相当あると思う(まずいとは思うが・・・)
今回のコラムでは,3^425^66^2について定式化してみるが,こは本質的に3^125^126^2と同じ立体であるから,3^125^126^2の定式化を示す.
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この多面体を定式化すると(τ:黄金比),
x1=0,y1=2,z1=?
x2=0,y2=?,z2=1
x3=√3,y3=?,z3=0
x4=y2√3/2,y4=y2/2,z4=1
x5=√3,y5=1,z5=z1
[1](xi−xj)^2+(yi−yj)^2+(zi−zj)^2=4
(i,j)=(1,2),(2,3),(3,4),(4,5),(5,1)
[2](xi−xj)^2+(yi−yj)^2+(zi−zj)^2=4τ^2
(i,j)=(1,3),(1,4),(2.4),(2,5),(3,5)
[3](xi−xj)(xi−xk)+(yi−yj)(yi−yk)+(zi−zj)(zi−zk)=−2/τ
(i,j,k)=(1,2,5),(2,3,1),(3,4,2),(4,5,3),(5,1,4)
[4]
|x2,y2,z2,1|
det|x3,y3,z3,1|=0
|x4,y4,z4,1|
|x5,y5,z5,1|
|x2,y2,z2,1|
det|x3,y3,z3,1|=0
|x4,y4,z4,1|
|x1,y1,z1,1|
が(グレブナー基底を使って)求められるかどうかという問題になる.これが解ければ,この多面体はジョンソン・ザルガラー多面体であることになる.
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それよりも,この問題は
x1=0,y1=2,z1=?
x2=0,y2=?,z2=?
x3=√3,y3=?,z3=0
x4=y2√3/2,y4=y2/2,z4=z2
x5=√3,y5=1,z5=z1
として計算する方がよいだろう.
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