■詐欺ジョンソン・ザルガラー多面体?(その9)

 1昨年だったと記憶していますが,中川宏さんはザルガラー多面体J91と正12面体,立方体の組み合わせで空間充填ができることを発見しました.93番目の新ザルガラー多面体も同一人物が発見し,そのこと自体もかなりの驚きです.中川さんの言葉を借りると「20世紀の幾何学は計算機による証明が花盛りでしたが,21世紀の幾何学は人間の創造力が見直されるでしょう」とのことです.

 (私も含め)関口次郎先生もいわば鑑定人みたいな立場です.鑑定人の立場からすればまだ間違っているおそれを払拭することはできません.なにせザルガラーの論文の欠陥を示したことになるのですから・・・.

 たしかに論文にまとめて世に問うことは重要でしょう.もし正しいと認定されればザルガラーの論文の欠陥を調べて,さらに新しいジョンソン・ザルガラー多面体の存在がわかるのか,この例がジョンソンの発見したものからはずれた唯一の例なのか,そういう問題へと移行します.一度わかればだれにでも構成できますから・・・.

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 インターネットで検索していたところ

  Johnson Solid near Misses

というサイトにいくつかのジョンソン立体もどきがあります.それらの画像を見たかぎり,今回の立体は一致するものはなさそうです.

 やはりこういうこれまで知られていないジョンソン立体を探している愛好家,研究者はいるようです.しかしながら,それらの中に真に新しいものは発見されていないようです.本当にジョンソン立体かという証明の方法はいくつかあるでしょう.   (関口次郎)

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