■詐欺ジョンソン・ザルガラー多面体?(その6)
関口次郎先生からも連絡いただいた.以下に紹介したい.
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展開図をもとに図形を復元し、それから座標計算をしてみました。変数としては、数え方によりますが、11か12連立方程式をたてると、だいたい解けて、最終的には本質的には4次方程式を解くことになりそうです。それの解を添加した体で方程式を解く必要もありそうです。
そのようにしてすべての未知数を決定することが必要ですが、それらがすべて実数にならなければなりません。この条件をみたす解があるのか、簡単な数値計算をして近似解を求めようとしたところ,4次方程式の解を採用すると一応矛盾しないような座標が見つかりそうです。
かなりの高次の方程式を解く必要があり、実際には近似解を求めた方が存在を確認するには近道になりそうです。1つの方程式(xとする)の候補となる近似解をもとめて別の未知数(yとする)の満たす方程式(係数にxがある)にxの近似値を代入してyの近似解をもとめる。
しかしいくつか解があるので、どれを採用するか吟味する必要があります。実際の立体のいくつかの点の間の距離などがどの程度であるかがわかればどの解の近似解を採用するべきかの参考になります。yとしての候補は3種類ありそうです。
次に未知数(zとする)の満たす方程式(係数にx,yがある)にx,yの解の近似値(候補であるもの)を代入して、解の近似値をとる。これについても実際に図形のいくつかの点の間の距離がどの程度であるかによって、解の候補を限定できる。
残りの未知数はこれらの近似値を代入すれば決定できます。このようにして、頂点の座標が決定できます。そうすれば、Mathematicaを使えば、画像を作成できます。
かなり雑な議論ですから、近似を数回繰り返す段階で誤差が大きくなってきます。おおざっぱに見たところでは、候補は10個くらいです。少し時間があれば確認はできます。
もしそれらしい図形が出現すれば、実証することはできるでしょう(近似解の近くに正しい解が存在するので、誤差を評価すればよい)。もしもそれらしい図形がでてこないときは、近似の仕方に問題があるか、実際にはそのようなジョンソン・ザルガラー多面体は存在しないことになります。
それらしい図形から出発して構成した連立方程式には解がありそうなので、現実になければ、虚数方向に真の頂点をもつ仮想的立体ということになります。 (関口次郎)
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