■平行体の体積とグラミアン(その83)
(その82)で一瞬頭の中をよぎったのが「デーン不変量と二面角の幾何学」シリーズである.
正n+1胞体 → cosδa=1/n,sinδa=√(n^2−1)/n
正2n胞体 → cosδb=0,sinδb=1
正2^n胞体 → cosδc=−(n−2)/n,sinδc=2√(n−1)/n
u=1/n+√(n^2−1)/ni
v=i
w=−(n−2)/n+√(n−1)/ni
とおく.|u|=1,|v|=1,|w|=1
δaとδcは4直角の整数分の1にならないことは直観的にもわかるが,直角と有理比にならないことを証明したい.
mδa≠nπ
mδc≠nπ
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【1】正単体と超立方体の非分解合同性
u=1/n+i√(n^2−1)/nについては,
u−1/n=i√(n^2−1)/n
より,uは2次方程式nu^2−2u+n=0の解である.
nu^2=2u−n
n^2u^3=2nu^2−n^2u=2(2u−n)−n^2u
=(4−n^2)u−2n
帰納法により
n^m-1u^m=a1u+b1 (a1≠0,b1=0 mod n)
を示すことが出来る.
ここで,複素数の積
Z=n^m-1u^m
を考える.複素数の掛け算は偏角の足し算に対応し,実数n^m-1の偏角はすべて0であるから,Zの偏角
Arg(Z)=Arg(u^m)
がnπにならないこと,すなわち,u^mの虚部
Im(u^m)
が0にはならないことがいえればよいことになる.
結局
Z=a1u+b1=Re+Imi
Im≠0
a1≠0,b1=0 (mod n)
に帰着され,a1≠0により,Im≠0がいえる.
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【2】正軸体と超立方体の非分解合同性
同様に,w=−(n−2)/n+2√(n−1)/niについては,
w+(n−2)/n=i2√(n−1)/n
より,wは2次方程式nw^2+2(n−2)w+n=0の解であり,
n^m-1w^m=a2w+b2 (a2≠0,b2=0 mod n)
がいえる.
ここで,複素数の積
Z=n^m-1w^m
を考える.複素数の掛け算は偏角の足し算に対応し,実数n^m-1の偏角はすべて0であるから,Zの偏角
Arg(Z)=Arg(w^m)
がnπにならないこと,すなわち,w^mの虚部
Im(w^m)
が0にはならないことがいえればよいことになる.
結局
Z=a2w+b2=Re+Imi
Im≠0
a2≠0,b2=0 (mod n)
に帰着され,a1≠0により,Im≠0がいえる.
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