■平行体の体積とグラミアン(その77)

 このシリーズでは「可測多面体」と記述してきたが,明らかに用語としておかしい.可測でない多面体は存在するのだろうか? 全て可測と考えてよいか? 面の数が無限個の多面体は?

 可測はmeasurableだが,可積分は英語でintegrableまたはsummableという.しかし「可積分多面体」と呼ぶのもおかしい.積分可能であっても,解析解の求め方が分からないことはある.Jordan可則とLebesgue可則の区別もある.

 実際問題として,体積が計算できる高次元多面体は少ない.そのようなものをどう呼ぶべきか.

 まず,計算可能とは? 凸包の計算方法ぐらいは確立されているだろうと思うが,般的な計算方法が確立されていないとか,計算方法不確定とかいうしかないだろう。体積が計算できる多面体を英語で何と表現しようかと考えてみたが,単純素朴にcalculableではだめだろうか?

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[補]阪本ひろむ氏による補足

 積分可能であっても、解析解の求め方が分からない例は挙げられないが、そのようなもののほうが多い。たとえば、超越数でe,π以外を含むものを「解析解」の範疇にいれないとすると、これらは解析解ではないということになる。

 なお、「計算不能」という用語は、情報科学の世界で「問題を解くアルゴリズムが存在しない様な問題」の事のようである。

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