■シュタイナーのピザ切り分け問題(その3)

(問)球面をn個の大円で分割する.その際,どの3個も同一点で交わらないとすると,球の表面はn^2−n+2個の領域に分割される.

(証)2個の大円は2点で交わるから,n個の大円の交点数は

  2(n,2)=n^2−n

また,各交点の次数は4であるから,握手定理により,辺数は

  2(n^2−n)

よって,オイラーの公式から,領域の個数はn^2−n+2となる.

  S1=2,S2=4,S3=8,S4=14(四角形は6個),S5=22(三角形10個,四角形10個,五角形2個),・・・

 この答えは

(問)1つの円をn本の弦で分割する.その際,分割によってできる領域が最も多くなるようにする.最大分割領域数Pnはいくつになるか?

(答)Pn=n(n+1)/2+1=(n^2+n+2)/2

   P0=1,P1=2,P2=4,P3=7,・・・

とすると

  Sn=2Pn-1

である.漸化式

  Sn=Sn-1+2(n−1)

が成り立つ.

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 実はこの問題も

(問)平面をn個の円で分割する.その際,どの3個も同一点で交わらないとすると,平面はn^2−n+2個の領域に分割される.

と等価になる.

 交点数がn(n−1),交点が頂点で辺の数が2n(n−1)であるから,オイラーの公式により領域の個数は

  f=e−v+2=n^2−n+2となる.

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(問)平面をn個の楕円で分割する.その際,どの3個も同一点で交わらないとすると,平面は2(n^2−n+1)個の領域に分割される.

(証)2個の大円は2点で交わるから,n個の大円の交点数は

  4(n,2)=2(n^2−n)

また,各交点の次数は4であるから,握手定理により,辺数は

  4(n^2−n)

よって,

  f=e−v+2=2(n^2−n+1)

となる.

 なお,漸化式

  En=En-1+4(n−1)

が成り立つ.

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 それでは

(問)1つの円環体(ドーナツ型)球をn個の面で分割する.その際,分割によってできる領域が最も多くなるようにする.最大分割領域数はいくつになるか?

 答えは

  Sn=(n^3+3n^2+8n)/6

  S1=2,S2=6,S3=13,S4=24,・・・

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