■直角三角形と直角三角錐の分割(その3)
tetradronの二重体である陽馬,四重体である中村・工藤の三角錐(quadrirectangular tetrahedron)はともに,空間充填かつ展開図が平面充填であるというダブル充填図形である.
また,中村・工藤の三角錐は8個でもとの三角形と相似比1:2,27個で相似比1:3の三角錐にできる特殊な三角錐であるが,陽馬は8個で一回り大きい陽馬にはできず,tetradronが必要です.
それでは,tetradronの切半体であるペンタドロンではどうでしょうか? 空間充填図形ですが,レプタイル図形にはなりません.また,展開図については中川宏さんに検討してもらいました.
ペンタドロンの展開図に現れる角度はほとんど切頂系(45°と35.26°の組み合わせ)ですが,仲間外れの角度(120°と60°)が一対あります.そこで隙間なく並べるためにはどうしても120°と60°を組み合わせる必要があるのですが,同じ凧型の向かい合う角度であるため,組み合わせると√6−√2という長さの辺のあまりができてしまいます.これに合う長さの辺はどこにもありません.なお,120°を3つ,60°を6つ併せると上記の問題は起こりませんが,うまくおかないことはたやすく想像していただけるでしょう.
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[まとめ]4種の空間充填図形について
レプタイル図形 ダブル充填図形
tetradron ○ ○
中村・工藤の三角錐 ○ ○
陽馬 × ○
ペンタドロン × ×
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