■直角三角形と直角三角錐の分割(その2)
5種類あるフェドロフの平行多面体相互の「立体蝶番返し」は15通り考えられるが,アフィン変換した平行多面体への「立体蝶番返し」は常に強変身可能である.すなわち,
[1]平行多面体Aは平行多面体Aに自己強変身できること(5通り)
[2]平行多面体Aは平行多面体Bに別種強変身できること(10通り)
を平行多面体の「強変身定理」と呼ぶことにする.
そのバックグラウンドをなす性質を考えてみると
[1]レプタイル図形(自己再生性)
自分自身と相似な8個の三角錐(相似比1:2)に分けることができる三角錐は稀である.tetradronは8個でもとの三角形と相似比1:2,27個で相似比1:3の三角錐にできる特殊な三角錐である.そして,このプロセスは何度も繰り返すことができるから,tetradronは空間充填多面体である.
[2]ダブル充填図形
空間充填かつ展開図が平面充填であるという図形.tetradronの展開図は平行六辺形であるから,ダブル充填というユニークな特徴がある.
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tetradronは2つの合同な5面体(pentadron)に分割できる.ゴールドバーグの論文によると2つの合同な5面体に分割ができる空間充填4面体はいくつか知られているが,pentadronは5種類ある平行多面体をすべて組み立てることができる特殊な5面体である.
フェドロフの平行多面体5種とは立方体,正六角柱,菱形十二面体,切頂八面体,長菱形十二面体のことであるが,3次元の平行多面体がすべて同一の素片(1種)で組み立てられるというのが「平行多面体元素定理」である.
[Q]tetradronを2つの合同な5面体(pentadron)に分割せよ.
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