■平行体の体積とグラミアン(その65)
n次元超立方体の対称超平面は2種類あります.ひとつは相対する超平面のの中央にあたるn−1次元超立方体(n枚)ともうひとつは相対する超辺と中心からできるn−1次元直方体(n(n−1)枚)です.対称超平面の個数は合計n^2枚です.
この断面に垂直な単位ベクトルaと断面積は,それぞれ
[1](1,0,0,・・・,0),1
[2](1/√2,1/√2,0,・・・,0),√2
で表されます.
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【1】失敗例
切断面[2]はn−1次超直方体であるから,その辺数は(n−1)2^(n-2).したがって,切半体の辺数は
(n2^(n-1)−(n−1)2^(n-2))/2+(n−1)2^(n-2)
一般にk次元面数は
(2^(n-k)nCk−2^(n-1k)n-1Ck)/2+2^(n-1k)n-1Ck
しかしながら,この式は間違いである.たとえば,n−1次元面数は
(2n−2(n−1))/2+2(n−1)=2n−1
となって,n+2にはならないのである.
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【2】成功例
そこで,ひとつの対角線を含む切断面の座標をとって
x1+x2=0
上に含まれる頂点数を求めてみることにすると
(1,−1,*,・・・*),(−1,1,*,・・・*)
の2^(n-1)個あるから,切半体の頂点数は
(2^n−2・2^(n-2))/2+2^(n-1)=2^n−2^(n-2)=3・2^(n-2)
次に,切断面に含まれる辺数は・・・と低次元の場合の例から地道に調べていくのが本筋であろう.少し考えると直観が働いてくる.
切り口の赤道上にはn−2次超立方体2個とn−1次超立方体2個がある.そこで,n次超立方体の面数をN(n,k)=2^(n-k)nCkとすると
f(n,k)=(N(n,k)−2N(n-2,k))/2+N(n-1,k)
=N(n,k)/2+N(n-1,k)−N(n-2,k))
=2^(n-k-1)nCk+2^(n-k-1)n-1Ck−2^(n-k-2)n-2Ck
ただし,k=n−1のとき,f(n,k)=n+2,n=2,k=n−1=1のとき,f(n,k)=3とする.
k=0のとき,f(n,k)=2^n−2^(n-2)=3・2^(n-2)
k=1のとき,f(n,k)=(2n−1)2^(n-2)−(n−2)2^(n-3)
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