■n次元の立方体と直角三角錐(その122)

 空間充填2^n+2n細胞体に対しては,一般解の形で得られたf0,f1公式はよいとしても,f2,f3公式に対しては再考しておく必要がありそうだ.

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[1]n=3のとき

 第1象限にある頂点P(x,x/2,0)を考えてみます.鏡映対称変換によって,第1象限内に移る点はその置換3!個(=正六角形)ありますが,直接,点P(x,x/2,0)と結ばれる第1象限内の点はP1(x/2,x,0),P2(x,0,x/2)の2点です.

 また,頂点P(x,x/2,0)の周囲には4点(x,±x/2,0),(x,0,±x/2)からなる正方形ができますが,直接,点P(x,x/2,0)と結ばれる第1象限以外の点はP3(x,0,−x/2)の1点です.

 P1−P−P2: cosθ=−1/2  (正六角形)

 P1−P−P3: cosθ=−1/2  (正六角形)

 P2−P−P3: cosθ=0     (正方形)

 これより,

  f2=(2/6+1/4)・f0=14

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[2]n=4のとき

 頂点P(x,x,0,0)の置換は4!/2!2!=6個(=正八面体)ありますが,直接,点P(x,x,0,0)と結ばれる第1象限内の点はP1(x,0,x,0),P2(x,0,0,x),P3(0,x,x,0),P4(0,x,0,x)の4点です.

 また,頂点P(x,x,0,0)の周囲には6点(x,±x,0,0),(x,0,±x,0),(x,0,0,±x)からなる正八面体ができますが,直接,点P(x,x,0,0)と結ばれる第1象限以外の点はP5(x,0,−x,0),P6(x,0,0,−x),P7(0,x,−x,0),P8(0,x,0,−x)の4点です.

 P1−P−P2: cosθ=1/2

 P1−P−P3: cosθ=1/2

 P1−P−P4: cosθ=0

 P1−P−P5: cosθ=0

 P1−P−P6: cosθ=1/2

 P1−P−P7: cosθ=−1/2

 P1−P−P8: cosθ=0

 P2−P−P3: cosθ=0

 P2−P−P4: cosθ=1/2

 P2−P−P5: cosθ=1/2

 P2−P−P6: cosθ=0

 P2−P−P7: cosθ=0

 P2−P−P8: cosθ=−1/2

 P3−P−P4: cosθ=1/2

 P3−P−P5: cosθ=−1/2

 P3−P−P6: cosθ=0

 P3−P−P7: cosθ=0

 P3−P−P8: cosθ=1/2

 P4−P−P5: cosθ=0

 P4−P−P6: cosθ=−1/2

 P4−P−P7: cosθ=1/2

 P4−P−P8: cosθ=0

 P5−P−P6: cosθ=1/2

 P5−P−P7: cosθ=1/2

 P5−P−P8: cosθ=0

 P6−P−P7: cosθ=0

 P6−P−P8: cosθ=1/2

 P7−P−P8: cosθ=1/2

 正方形と正六角形は関与しないので

  f2=(12/3)・f0=96

となって正解が得られた.

 次はf3の番であるが,

 P1−P−P2: cosθ=1/2

 P1−P−P3: cosθ=1/2

 P2−P−P3: cosθ=0

は正八面体構造である.このような正八面体構造が6つあるので,

  f3=(6/6)・f0=24

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[3]n=5のとき

 頂点P(x,x,x/2,0,0)の置換は5!/2!2!=30個ありますが,直接,点P(x,x,x/2,0,0)と結ばれる第1象限内の点はP1(x/2,x,x,0,0),P2(x,x/2,x,0,0),P3(x,x,0,x/2,0),P4(x,x,0,0,x/2)の4点です.

 また,点P(x,x,x/2,0,0)の周囲には(x,±x,±x/2,0,0)の置換4!/2!・4=48個ありますが,直接,点P(x,x,x/2,0,0)と結ばれる第1象限以外の点はP5(x,x,0,−x/2,0),P6(x,x,0,0,−x/2)の2点です.

 P1−P−P2: cosθ=1/2

 P1−P−P3: cosθ=−1/2

 P1−P−P4: cosθ=−1/2

 P1−P−P5: cosθ=−1/2

 P1−P−P6: cosθ=−1/2

 P2−P−P3: cosθ=−1/2

 P2−P−P4: cosθ=−1/2

 P2−P−P5: cosθ=−1/2

 P2−P−P6: cosθ=−1/2

 P3−P−P4: cosθ=1/2

 P3−P−P5: cosθ=0

 P3−P−P6: cosθ=1/2

 P4−P−P5: cosθ=1/2

 P4−P−P6: cosθ=0

 P5−P−P6: cosθ=1/2

 P3−P−P5とP4−P−P6でcosθ=0となるが,実際に正方形面を作るのではなく,切頂面にできる正八面体の赤道となる.したがって,点Pは5枚の正三角形と4枚の正六角形で取り囲まれることになるから,

  f2=(5/3+4/6)・f0=7f0/3

 点Pの周りに集まる3次元面は正八面体(頂点数6)1個と切頂四面体(頂点数12)4個である.

  f3=(1/6+4/12)・f0=f0/2

 f0=240,f1=3f0,f2=7f0/3,f3=f0/2となって,オイラー・ポアンカレの公式を満たす.

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[4]n=6のとき

 頂点P(x,x,x,0,0,0)の置換は6!/3!3!=20個あり,直接,点P(x,x,x,0,0,0)と結ばれる第1象限内の点はP1(x,x,0,x,0,0),P2(x,x,0,0,x,0),P3(x,x,0,0,0,x),P4(x,0,x,x,0,0),P5(x,0,x,0,x,0),P6(x,0,x,0,0,x),P7(0,x,x,x,0,0),P8(0,x,x,0,x,0),P9(0,x,x,0,0,x)の9点です.

 また,点P(x,x,x,0,0,0)の周囲には(x,±x,±x,0,0,0)の置換5!/2!3!・4=40個ありますが,直接,点P(x,x,x,0,0,0)と結ばれる第1象限以外の点はP10(x,x,0,−x,0,0),P11(x,x,0,0,−x,0),P12(x,x,0,0,0,−x),P13(x,0,x,−x,0,0),P14(x,0,x,0,−x,0),P15(x,0,x,0,0,−x),P16(0,x,x,−x,0,0),P17(0,x,x,0,−x,0),P18(0,x,x,0,0,−x)の9点です.

 この場合も実際に正方形面や正六角形面を作るのではなく,したがって,点Pは54枚の正三角形で取り囲まれることになるから,

  f2=(54/3)・f0

 点Pの周りに集まる3次元面は正八面体(頂点数6)45個と四面体(頂点数4)30個である.

  f3=(30/4+45/6)・f0=15f0

  f0=160,f1=9f0,f2=18f0,f3=15f0となるが,オイラー・ポアンカレの公式を満たすためには,

  f4=5f0+76=876

である必要がある.

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[5]雑感

 f4公式はどのようにして求めたらよいのであろうか? いまのところ,no idea.

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