【1】シンク関数の無限積表示
任意のxに対して,無限積公式
sinx/x=cosx/2cosx/4cosx/8・・・
も示しておこう.
(証明)
sinx=2sinx/2cosx/2
=4sinx/4cosx/4cosx/2
=8sinx/8cosx/8cosx/4cosx/2
・・・・・
=2^nsinx/2^ncosx/2^n・・・cosx/2
書き直すと
sinx=x[sin(x/2^n)/(x/2^n)]cosx/2・・・cosx/2^n
ここで,n→∞のとき,
sin(x/2^n)/(x/2^n)→1
であるから,sinxの無限積表示
sinx=xΠcosx/2^n
=x(1−x^2/π^2)(1−x^2/4π^2)(1−x^2/9π^2)・・・
が得られる.
この結果は,sinxがx=0,±π,±2π,±3π,・・・のとき,0になることに一致している.シンク関数
sinx/x=0
の解が±π,±2π,±3π,±4π,・・・となることを利用して,無限積表示すると
sinx/x=(1-x^2/π^2)(1-x^2/4π^2)(1-x^2/9π^2)(1-x^2/16π^2)・・・
=Π(1-x^2/k^2π^2)
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【2】シンク関数とゼータ関数
sinxの代わりに,sin√xを考える.零点は
x=0,π^2,4π^2,9π^2,・・・
なので,関数
f(x)=sin√x/√x
の零点は
x=π^2,4π^2,9π^2,・・・
また,
f(x)=1−x/6+x^2/120−・・・
=(1−x/π^2)(1−x/4π^2)(1−x/9π^2)
ここで,xの係数を比較すると
ζ(2)=π^2/6
となる.
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【3】おまけ
素数をわたる無限積
Πp^2/(p^2−1)=4/3・9/8・25/24・49/48・・・=π^2/6
が成り立つ.
なぜならば,オイラー積より
Πp^2/(p^2−1)=Π1/(1−1/p^2)=π^2/6=ζ(2)
ついでながら,すべての素数をわたる無限積
Π(p^2+1)/(p^2−1)=5/3・10/8・26/24・50/48・・・=5/2
が成り立つ.
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