(その2)の補足をしておきたい.n次方程式P(z)=ΣPrz^r=0のすべての解は|z|=1になるというのがリー・ヤンの定理であったが,ここでは係数が実数の一般のn次方程式
a0x^n+a1x^n-1+・・・+an-1x+an=0
を扱うことにする.
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【1】掛谷の定理
a0≧a1≧・・・≧an>0のとき,すべての解の絶対値は1より大きくならない.
少し条件を強くして,実数解しかもたないとすると,係数がすべて正のとき,n個の解はすべて負であるから,どの解の絶対値もa1/a0より小さく,an/an-1より大きい.
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【2】高橋進一の定理
係数が複素数の場合は少し状況が異なる.
ak=pk+qki
とおくと,
p0≧p1≧・・・≧pn>0,q0≧q1≧・・・≧qn>0
のとき,すべての解の絶対値は√2より大きくならない.
以上のことから,リー・ヤンの定理が如何に特異なものか窺い知ることができるだろう.
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【3】Dixonの定理
係数が実数の一般のn次方程式
a0x^n+a1x^n-1+・・・+an-1x+an=0
の解がすべて実数だとすると,
a0+a1+・・・+an-1+an≦αn・max(a0,a1,・・・,an-1,an)
αn=(n+1)^n/nCs(n−s)^n-s(s+1)^s,s=[n/2]
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